島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、新潟県の離島・佐渡島(さどがしま|新潟県)の田仕事をユーモラスに演じる「田遊び神事」をお届けします。
新潟市の西約45kmの日本海にある佐渡島は、本土と橋でつながらない島のなかで最も大きい。近世では徳川幕府の直轄地となり、世界有数の産出量を誇った金山があり、「黄金の島」とも呼ばれる佐渡島は、能楽が盛んで、鬼太鼓やつぶろさし、文弥人形、のろま人形などが伝承される芸能の島としてもよく知られている。
江戸時代には200を超える能舞台があったとされ、現在でも32余りの能舞台が残る。人口当たりの能舞台の数は、江戸時代も現在も全国一を誇るという。
また、稲作も盛んで、日本酒の蔵元も多数ある米の島。そんな佐渡島で、田仕事をユーモラスに演じる田遊び神事が行われると聞いて、雪が降る新潟港から佐渡島・両津港へと向かった。
沖合いを流れる対馬海流の影響で、冬は本土より暖かいといわれる佐渡島だが、2月ともなると雪化粧をして僕を迎えてくれた。
田遊び神事が行われる小比叡神社は、元は蓮華峰寺の鎮守で、山王大権現として祀られていたが、明治の神仏分離によって小比叡神社と改められた場所。今も蓮華峰寺を進むと神社にたどり着く。本殿と石鳥居は、国指定の重要文化財に指定されている。
祭りが行われる2月6日に小比叡神社へと向かうと、田遊び神事の舞台が用意され、境内には、お弓神事に使用される的と祭壇が置かれていた。これから始まる祭りに期待が膨らませていると、祭りを見るために人が集まってきた。
◆祭情報◆
日程 毎年2月6日
場所 佐渡島(新潟県佐渡市)