つくろう、島の未来

2024年12月07日 土曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、良好な「いりこ」(煮干しいわし)の産地として有名な伊吹島 波切不動尊の桜まつり 前編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

香川・伊吹島 波切不動尊の桜まつり 1

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観音寺港から西約10kmの燧灘のほぼ中央に位置する香川県西端の有人島・伊吹島。良好な「いりこ」(煮干しいわし)の産地として有名で、江戸時代以前から四季折々の民俗宗教行事が続けられている。

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そんな伊吹島で、桜まつりが行われていると聞いて、観音寺港から船に乗り、島へと渡った。桜まつりが行われている波切不動尊は、島の北東に位置し、信仰心の厚い島の人々に大切にされている。島の玄関口である真浦港からは、ちょうど島の反対側になるため、春の陽気の中、ゆっくりと歩いて向かった。

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波切不動尊が近づいてくると、琴の素敵な音色が聞こえてきた。満開の桜の下での演奏は、平安絵巻のようで、とても美しく、タイムスリップしたかのような不思議な感覚に包まれた。周りで見守る島の人達も眼差しも温かく優しい。春の気持ちの良い陽気と合わさって、こちらもとても心地よく撮影させてもらった。琴以外にも太鼓のパフォーマンスなどもあり、とてもアットホームな祭りだ。

 

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また断崖に咲く、波切不動尊の桜は、瀬戸内海・燧灘の青とのコントラストが見事で、色々な桜を撮影してきた身でも、心震える素晴らしい桜並木だった。メジロなどの鳥が蜜を求めて、枝を飛び交う姿も見られ、瀬戸内の自然を心と体で満喫することができる。

「香川・伊吹島 波切不動尊の桜まつり 2」へと続く

◆祭情報◆
日程 毎年4月の第2日曜日
場所 伊吹島(香川県観音寺市)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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