島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、良好な「いりこ」(煮干しいわし)の産地として有名な伊吹島 波切不動尊の桜まつり 前編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。
香川・伊吹島 波切不動尊の桜まつり 1
観音寺港から西約10kmの燧灘のほぼ中央に位置する香川県西端の有人島・伊吹島。良好な「いりこ」(煮干しいわし)の産地として有名で、江戸時代以前から四季折々の民俗宗教行事が続けられている。
そんな伊吹島で、桜まつりが行われていると聞いて、観音寺港から船に乗り、島へと渡った。桜まつりが行われている波切不動尊は、島の北東に位置し、信仰心の厚い島の人々に大切にされている。島の玄関口である真浦港からは、ちょうど島の反対側になるため、春の陽気の中、ゆっくりと歩いて向かった。
波切不動尊が近づいてくると、琴の素敵な音色が聞こえてきた。満開の桜の下での演奏は、平安絵巻のようで、とても美しく、タイムスリップしたかのような不思議な感覚に包まれた。周りで見守る島の人達も眼差しも温かく優しい。春の気持ちの良い陽気と合わさって、こちらもとても心地よく撮影させてもらった。琴以外にも太鼓のパフォーマンスなどもあり、とてもアットホームな祭りだ。
また断崖に咲く、波切不動尊の桜は、瀬戸内海・燧灘の青とのコントラストが見事で、色々な桜を撮影してきた身でも、心震える素晴らしい桜並木だった。メジロなどの鳥が蜜を求めて、枝を飛び交う姿も見られ、瀬戸内の自然を心と体で満喫することができる。
「香川・伊吹島 波切不動尊の桜まつり 2」へと続く
◆祭情報◆
日程 毎年4月の第2日曜日
場所 伊吹島(香川県観音寺市)