島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、愛知県は知多半島の離島・篠島(しのじま|南知多町)の正月祭礼「大名行列」をお届けします。
(大名行列3はこちらから)
オジンジキサマが前浜(ないば)に姿を現すと、大名行列の男たちは頭を下げ、膝をついてお迎えをする。オジンジキサマは「庁屋の人」の一人が花笠のように頭上に乗せ、両端にお傍役と呼ばれる人がついて、支えられながらゆっくりと進んでいく。
行事の途中、オジンジキサマが舞を舞われるのだが、オジンジキサマの紙垂(しで)が空中で円を描くように見え、その姿は神々しさに溢れていた。
舞を終えたオジンジキサマは御棚木様(オタナギサマ)のところに進み、お腰掛けの上に安置される。そして、宮司が祝詞を読み上げる神事が執り行われた。
その後、氏子総代が「コリヨー」と声をかけると、厄年の男たちがふんどし姿となり、御棚木様(オタナギサマ)に飛び掛かり、倒れた御棚木様(オタナギサマ)を三度引き回し、海に流す。
島では、この行為によって厄が離れていくと考えられており、厄年の男は必ず御棚木様(オタナギサマ)に触れないといけないとされている。
ふんどし姿の男たちが御棚木様(オタナギサマ)と共に、冷たい海に豪快に入る姿は、男らしくとても迫力があり、撮影しているこちらもテンションがあがる。
そしてオジンジキサマは、本来の御住まいである八王子社に戻られ、篠島の正月の風物詩・大名行列は終わった。新年の清々しさと共に、島の人達に大切に引き継がれる神事に背筋が伸びる思いだった。
◆祭情報◆
日程 毎年1月3日・4日
場所 篠島(愛知県南知多町)