つくろう、島の未来

2024年12月03日 火曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は高松市の約20km北東沖に位置する小豆島の内海八幡神社秋祭り 後編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

香川・小豆島の内海八幡神社秋祭り 2

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無事に宮入を済ませた地区の人々は、その足で内海八幡神社へとお参りに行く。その時、乗り子は地面に足が付いてはいけないという決まりがあるため、大人たちに担がれながら神社へと上がっていく。途中急な階段もあり、担ぐ大人たちは大変そうだが、木漏れ日に照らされながら、肩車で進んでいく様は、どこか微笑ましい。

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その後お昼休憩をはさみ、馬場での演技となる。内海(うちのみ)八幡神社は、池田や土庄のような桟敷を持たず、馬場も中央にある数本の松と道路に分断されており、非常に狭い場所での演技となるので、より統御された舁き方が要求される。そんな馬場では、太鼓台の登場を待つかのように、馬木地区と橘地区による「幟(のぼり)さし」が披露される。約8mの幟を若い衆が片手で上げ、額や肩で受ける妙技の数々に思わず見とれてしまう。バランスを崩した時も瞬時に座り込み、周りの仲間たちが、すぐ支えに入るという息の合いようだ。

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「幟さし」が終わると、いよいよ各地区の太鼓台が馬場へと入ってくる。統率された見事な舁き方で、見物人たちの歓声や拍手を浴びながら、各地区ごとに特色が光る演技を奉納していく。地区ごとに鉢巻の色が違うが、皆白色の太鼓襦袢に黒帯という祭り衣装で、青空の下ではとても映える。その太鼓台に続き、御神輿も馬場へと入り、祭りは佳境を迎える。汗を輝かせる男衆に担がれた太鼓台が、最後に集まり、今年の豊作と繁栄の感謝、そして翌年への願いを込めた奉納が執り行われ、内海八幡神社秋祭りは終わった。島中から湧き上げってくる熱気と地区ごとの誇りを感じた祭だった。

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◆祭情報◆
日程 毎年10月15日
場所 小豆島(香川県小豆島町)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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