つくろう、島の未来

2024年12月11日 水曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は高松市の約20km北東沖に位置する小豆島の内海八幡神社秋祭りをご紹介。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

香川・小豆島の秋祭り(内海八幡神社)1

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香川県の県庁所在地高松市の約20km北東沖に位置する小豆島(しょうどしま)。非架橋の島としては、瀬戸内海で一番大きなこの小豆島が祭り一色に染まる季節、それが秋祭りのシーズンだ。

 

毎年10月11日~10月21日の間、豊作に感謝した伝統ある祭が小豆島の各地区で行われる。何日も前から準備や練習を重ね、当日は会社も学校もお休みとなり、島の人々が一丸となって行われる島一番の祭事だ。2014年は、小豆島町馬木地区にある内海八幡神社・秋祭りの撮影のため、神戸より夜行フェリーで島へと渡った。

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島に入ると、フェリーが到着する坂手地区の太鼓台が、ちょうど内海八幡神社へと向かおうとしていた。坂手地区の太鼓台と共に八幡神社に向かっていると、他の地区の太鼓台も現れ、島の道は太鼓台の担ぎ手や観客達で溢れる。

 

小豆島の太鼓台は、瀬戸内沿岸に広く分布する「ふとん太鼓」という舁山(かきやま)形式の太鼓で、発祥は江戸中期頃と言われている。もちろん舁き方には地区ごとの違いがあり、それぞれ自分の地区が一番という意地とプライドが垣間見れる様子は面白い。舁き手はもちろん、太鼓の動きを指揮する総代の動きは激しく、自身も飛び上がったりとアクティブだ。

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各地区から来た太鼓台はお昼前には、内海八幡神社下に集まり、順番に宮入を行う。男衆が威勢のいい掛け声を上げながらここぞとばかりに磨き上げた技を披露し、乗り子達も息を合わせて太鼓を打ち続ける様は、とても勇ましく圧巻だ。

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香川県小豆島の秋祭り(内海八幡神社)2」へと続く

◆祭情報◆
日程 毎年10月15日
場所 小豆島(香川県小豆島町)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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