島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は瀬戸内海家島諸島の中央に位置する家島の真浦地区の秋祭りをご紹介。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。
兵庫・家島 真浦地区の秋祭り 1
瀬戸内海・家島諸島の中央に位置する家島。神武天皇の時代、瀬戸内海を航海中に立ち寄った天皇が「波静かにして家の中に居るようである」と仰せられ、そこから家島の名がついた。古くから、瀬戸内海を通る多くの船舶には、風待ち潮待ちの島として重宝されてきた家島の秋祭りを見に、姫路港から島に渡った。
関西圏に住む者としては、家島の位置する播州地方の秋祭りは有名で、多くの祭りが「けんか祭」の様相を呈し、見事な屋台(太鼓台)が見れるとあって、僕の中で否が応でも期待が膨らむ。そんな家島には真浦地区・宮地区とあるが、今回は真浦地区へと入った。
島に入ってまず、真浦神社へと向かうと、「御花」と書かれた四角形の御札で飾られた子ども神輿の宮入が行われていた。朱色に色付けされた御札が、青空の下よく映える。引き継がれる伝統の力を感じながら、お目当ての屋台を探すと、その装飾の素晴らしさに驚かされた。細部までこだわった装飾は、まるで龍虎が生きているかの様に思われるほどの立派な刺繍で、龍の目玉にはガラス玉が使用され、迫力に心が引きつけられる。播州人の心意気を感じる装飾だ。
真浦神社への子ども神輿や屋台の宮入が滞りなく行われた後、本殿では神事が行われる。巫女による奉納舞が舞われると祭りはいよいよ佳境を迎える。
「兵庫・家島 真浦地区の秋祭り 2」へと続く
◆祭情報◆
日程 毎年11月2、3日
場所 家島(兵庫県姫路市)