つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、記紀の国産み神話で最初に創造された島だとされる淡路島 洲本のねり子祭り 前編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

 

兵庫・淡路島 洲本のねり子祭り 1

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瀬戸内海最大の島である淡路島。記紀(『古事記』と『日本書紀』の総称)の国産み神話では、最初に創造された島とされ、古代から平安時代まで御食国(みつけくに)として、皇室や朝廷に贄(にえ)を献上してきた。そんな歴史ある淡路島には、伝統芸能や農業から生まれた民間信仰、独特の風習などが数多く残っている。

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2013年は、洲本市由良で毎年2月11日に行われる「ねり子祭り」の撮影のため、由良湊(ゆらみなと)神社へと向かった。「ねり子祭り」とは、数え年三歳を迎えた子ども(ねり子)の氏子入りを御神前に奉告し、今まで無事に育った感謝と今後の穏やかな成長を祈願する祭事だ。由良湊神社へと到着すると、播州地方によく見られる見事なだんじりの練り回しが行われ、「ねり子」の到着を今か今かと待ちわびていた。

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しばらくすると、見事に着飾った「ねり子」たちが、両親や祖父母など一族郎党を従えて、宮入を行った後、神社の周りを数え年三歳に合わせて三周する。境内には、大きな棍棒を持った鬼が現れ、幼子たちを驚かせながら今年一年の厄除けを行っていた。ほのぼのとした光景に胸が温まる。

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由良湊神社・本殿では神事が粛々と執り行われ、お祓いを終えた厄年の男衆が境内へと降りてきた。担ぎ手である厄年の男衆によるお清めをした後、御神輿も神社の周りを三周して、摂社である若宮神社へ向かう。漁村特有の狭い路地を大きな御神輿が進むので、担ぎ手達も大変だ。

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兵庫・淡路島 洲本のねり子祭り2」へと続く

◆祭情報◆
日程 毎年 宵宮2月10日・本宮2月11日
場所 淡路島(兵庫県洲本市)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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