つくろう、島の未来

2024年11月23日 土曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、古い漁村の面影を残した家並みがあり、穏やかな瀬戸内の風景を堪能できる長閑な島 真鍋島の走り神輿(本祭り) 後編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

岡山・真鍋島の走り神輿(本祭り)3

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本浦では、神輿が来るのを待ちわびて、多くの見物人が集まってくる。神輿の通り道に当たる場所では、魔除けの棒術が行われていた。本浦の港に到着した神輿は、狭い桟橋を通り、3体全ての神輿が揃うまで待機した後、御旅所の手前で練り合いを行う。一番前の神輿がスタートするタイミングで、残り2体も走り出し、本浦の集落は割れんばかりの歓声に包まれた。

 

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本浦の集落内を回った3体の神輿は、いよいよ島のメインストリートでの走りをする。大漁旗がはためくメインストリートには、島人や観光客など多くの見物人が集まり、神輿の走りだしを今か今かと待っていた。先頭の天狗が走りだし、日の丸の扇子を振った警護方の後ろから、すごいスピードで神輿が走ってくる。鬼気迫る迫力というのは、こういうことなのだろう。輿守達の迫力に圧倒された「走り神輿」のクライマックスだった。

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その後、御旅所に3体の神輿が並べられ、警護方や輿守達は神輿の前で記念撮影をして、「走り神輿・本祭り」は終了となった。神輿は、この御旅所で一夜を明かした後、翌日「走り神輿・お帰り」が行われ、八幡神社へと帰っていく。

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300年以上続く真鍋島の走り神輿。輿守達の迫力感じる勇壮な祭りだった。過疎や高齢化の中、24人の若者の確保という難しい問題もあるが、ぜひ続いていってもらいたい男の祭りだ。

 

 

◆祭情報◆
日程 毎年5月3~5日(本祭りは、5月4日)
場所 真鍋島(岡山県笠岡市)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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