つくろう、島の未来

2024年11月23日 土曜日

つくろう、島の未来

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

香川・小豆島の虫送り(中山)1

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香川県の県庁所在地高松市の約20km北東沖に位置する小豆島(しょうどしま)。非架橋の島としては、瀬戸内海で一番大きなこの小豆島・中山地区に、映画「八日目の蝉(せみ)」がきっかけとなり【虫送り】が復活したと聞き、2012年小豆島へと向かった。

思い起こせば今から10数年前、野宿で日本の島々を旅していた僕は、小豆島に【虫送り】という稲虫退治の行事があることを知った。ぜひ訪れて見たいなぁと思っていた矢先、中山地区の【虫送り】が、少子高齢化による後継者不足にてよって途絶えてしまったことを聞いた。その時、すごく残念な気持ちになったことを今でも強く覚えている。

島の祭を撮影していると、少子高齢化により祭が途絶えてしまったという話をよく聞く。事実、祭を撮影し始めた当初に撮影した島祭の中で、現在は行われていないものもある。そんな中、映画がきっかけとなり、途絶えていた行事が復活するのは、非常に嬉しいことだ。復活に尽力した方々の苦労を思いながら島へと入った。

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中山地区の虫送りは、日本棚田百選にも選ばれた中山千枚田で行われる。さっそく千枚田に向かうと、青々とした稲作文化を象徴する見事な光景が広がっていた。近くには長さ約1.2mの火手(ほて)が準備され、祈祷が行われる小豆島霊場第44番札所湯船山には、祭壇が設けられ、虫送りの準備が進められていた。

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(「香川・小豆島の虫送り(中山)2」へと続く)

◆祭情報◆

日程 毎年7月上旬(※2014年は、7/5)

場所 小豆島(香川県小豆島町)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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