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寄稿コラム

【島Column】百島百祭 #02 三重・神島のゲーター祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

三重・神島のゲーター祭

三重県鳥羽市にある鳥羽港の北東約14km、伊勢湾に浮かぶ人口400人あまりの小さな島「神島」。三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台としても有名なこの島には、元旦未明に行われる奇祭がある。島の氏神・八代神社の神事、「ゲーター祭」だ。

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「天に二つの日輪なく、地に二皇あるときは世に災いを招く、若し日輪二つあるときは、神に誓って偽りの日輪は是の如く突き落とす」という、南北朝時代の思想を現したものと言われ、新しい年を迎える「迎旦」が訛って「ゲーター」になったと言われているが、いまだに語源・由来も不確かで謎の多い祭でもある。

そんな奇祭を見たいと思い、鳥羽港へと向かった。鳥羽・佐田浜港から出る渡船は、未明の祭りに間に合う時間帯の便がないため、ゲーター祭を見ようと思うと、前日に島に入らないといけない。大晦日ということもあり、多くの帰省客と共に神島に渡った。

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島内は、祭の日特有の空気が流れており、午後7時頃より白ツナギに身を包んだ島の男達が、漁協に集まり、グミの枝をまるめて直径2mほどの日輪を模した輪「アワ」を作る。この漁協での作業は、男性のみで行われるのだが、アワを作る者、御神木を彫る者、御神酒を煽る者と、絶妙なワークバランスで作業が進行されていく。午後10時頃にアワは完成し、各々家路に着き、その数時間後、再び漁協へと集まってくる。

そして元旦未明、御幣をつけた長い竹を持つ男達が、アワを空高く突き上げた後、地上にたたき落とす。アワが高く上がるほど、その年は豊漁になると言われ、島人達が必死でアワを突き上げ、たたき落とす様は、天下の奇祭と呼ぶに相応しい勇壮な祭りだった。

その後、島人達はその足で八代神社に参拝する。邪悪を払い、平穏無事に新しい年の日の出を迎えることができる御礼も兼ねての初詣だ。島人達の参拝が終わる頃、初日の出が島を照らし始めた。新しい一年の始まりだ。

 

◆祭情報◆

日程 12/31~1/1

場所 神島(三重県鳥羽市)

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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