つくろう、島の未来

2024年11月24日 日曜日

つくろう、島の未来

島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム「百島百祭」。今回は、松山市北条港の沖合いの小さな無人島、鹿島(かしま|愛媛県松山市)の北条鹿島まつり前編。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

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愛媛・鹿島の北条鹿島まつり1

北条港の西方約400mの海上にある鹿島。伊予の江ノ島と呼ばれており、中世の豪族・河野水軍の根拠地の一つとなった鹿島城の遺跡が残る歴史のロマン感じるこの島で、河野水軍の戦勝祈願と祝勝奉賛が由来と言われる北条鹿島まつりが行われると聞いて、2015年5月3日に鹿島へと渡った。

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周囲約1.5kmの小さなこの島は、船上から見ると、海にぽっかりと浮かんでいるような出で立ちで、なんとも可愛らしい印象だ。鹿島へと入ると、生憎の空模様だったが、そんな天候を諸ともせず祭の準備が行われていた。今から始まる祭に向けて、皆真剣な表情で取り組んでいる。協力しながら手際よく進められる作業に年季を感じた。

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島の中心に鎮座する鹿島神社の境内には、神輿が奉られ、木々に囲まれた凛とした空気の中、祭の関係者や島を訪れた観光客の方々がお参りしていた。島に根付く信仰心の深さを感じる瞬間だ。

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この北条鹿島まつりの中心となるのが、神輿を乗せた御船による「櫂練(かいね)り踊り」(愛媛県指定無形民俗文化財)だ。その御船を先導する櫂伝馬(かいでんま)は、提灯や幟(のぼり)、数多くの日の丸小旗などで飾り付けられ、色鮮やかなそれらの飾りが風に舞う様は、瀬戸内の長閑な風景と重なって非常に趣があり、見る人を楽しませてくれている。そんな中、鹿島神社・本殿では、厳かに神事が執り行われ、いよいよ祭は、「櫂練り踊り」の神輿渡御(みこしとぎょ)へと進んでいく。

愛媛・鹿島の北条鹿島まつり2へとつづく

◆祭情報◆
日程 毎年5月3・4日
場所 鹿島(愛媛県松山市)

     

離島経済新聞 目次

【連載】百島百祭

野宿で日本各地の島を旅していた10年前、偶然出会った島の祭に魅せられたカメラマンの島祭コラム。島々に息衝く、祭の魅力をお届けします。

黒岩正和(くろいわ・まさかず)
写真家。21歳より、日本の島の風俗・祭事を撮影(2013年現在300島以上を撮影)。主な撮影テーマは、日本の島・山岳少数民族の風俗・メコン河流域の風俗・ 棚田などの稲作文化・戦国史跡など。
http://kuroiwamasakazu.com/

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