つくろう、島の未来

2025年03月12日 水曜日

つくろう、島の未来

私は高校卒業までの18年間を、長崎県にある人口約1,900人の小値賀島と人口約50人の大島で過ごしてきた。島で暮らしてきたことを誇りに思い続けてきたなか、高校卒業後の進路を決める際に、島のために自分のスキルを磨きたい、それぞれの志を持ついろんな人と出会ってみたいと考え、島を離れた。

私が18年間の島暮らしで得られたものはたくさんある。その中でも、私という人間の形成に大きく関わっていると感じるのが、多世代とのコミュニティである。

私は小値賀町の中でも二次離島といわれる、小値賀島本島からさらに船で10分の距離にある大島で生まれた。数十人の島民のほとんどが高齢で、子どもや若い人は数える程度。

私の幼い頃の友達は、島のじいちゃんばあちゃんで、みんなに愛されて育ったと感じる。「世代が異なる人とのコミュニケーション力」を褒めてもらうことがあるが、その根源は、大島にいる年の離れた友達のおかげなのかもしれない。

小値賀島は「時間が止まった島」と言われるほど、ゆったりとした空気が流れているが、島の人々の想いは熱い。人種にも年齢にも関係なく受け入れるような地盤が小値賀にはある。

「いつか誰かが、 小値賀に戻りたい。と思った時に故郷が残っていたらいいな」。そんな気持ちで私は日々、活動している。OJIKAコミュニティがいつまでも世界中の人々に愛され続けますように!


﨑元愛琴(さきもと・まこと)
長崎県小値賀町出身。長崎県立大学地域創造学部公共政策学科で地方政治・市民参加について学ぶ傍ら、全国地域でイベント参加や小値賀町に関する活動を行ったりしている。モットーは「迷ったらとりあえずやってみる」

     

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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