つくろう、島の未来

2025年09月16日 火曜日

つくろう、島の未来

島とともに生きる

私は生まれ育った弓削島に暮らしながら、日々「島の未来」を考えています。上島町は25の島々からなる町ですが、少子高齢化や価値観の変化の中で、かつて当たり前だった文化やつながりが少しずつ薄れてきています。

各島にはオリジナリティあふれる行事があり、地域も住民も子どもたちも活気に満ちていましたが、今は島にいながらどこかネガティブな空気を感じることもあります。

それでも、この島には多島美や島々をつなぐ橋、豊かな自然だけでなく、暮らしや人の関わり合いから生まれる豊かさが残っています。私はそんな、都会にはない習慣や営みが好きです。

その「豊かさ」を、島内外問わずもっと多くの人に知ってもらいたい。そんな思いから仲間と一緒に「島の魅力発信団体・ゆげじまん」を立ち上げました。SNSで島の魅力を伝えたり、訪れる人にアクティビティを楽しんでもらったり、クラフトビールを企画したりと活動はさまざまですが、その根っこにあるのは 「上島町を未来に残したい」という気持ちです。

先人たちが残してきた歴史や文化を意識しながら、島民の温かさや生活の豊かさにふれて「島が好き」と言ってくれる人が一人でも増えてほしい。そうすれば、この町の未来はまだ広がっていくと信じています。小さな島だからこそできる暮らしの価値を、次の世代に受け渡していくために、私はこれからも挑戦を続けます。


英真介(はなぶさ ・ しんすけ)
上島町弓削島(愛媛県)出身で6年前にUターン。本業の傍ら、島の魅力発信団体 「ゆげじまん」 代表として、島の未来を次世代へ受け渡すために、広報・企画 観光などさまざまな事業に日々挑戦。柔道整復師。SUPインストラクター

※この記事は『季刊ritokei』50号(2025年8月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。





     

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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