つくろう、島の未来

2024年08月16日 金曜日

つくろう、島の未来

寒風沢島は松島湾に浮かぶ4つの有人島の一つで人口70名弱、4島合わせても200名弱と過疎化が進んでいます。

僕は同じ塩竈(しおがま)で生まれながら、寒風沢島には一度も行ったことがなく、地域おこし協力隊の面接ではじめて上陸しました。

「漁師になるため」に移住したはずが、今では島の魅力にすっかりハマり、何とかしてこの島を守っていきたい、後世につないでいきたいと思うようになりました。

今後、島を維持していくにはこれまでの島民の生活を守りながらも、魅力を外へ発信していくことが必要です。

浦戸諸島では、同じ志を持つ島の大先輩や体験学習等の活動をしている方々が協力し、昨年10月に「一般社団法人うらとまなび」という団体も立ち上がり、島の課題解決、体験学習、環境保全など、島を守るための情報を発信していく考えです。

「島を守る=島民の今までの生活を守る」と「魅力を発信する=島の発展・開発、関係人口を増やす」は相反する部分があり、両方を望むのは移住者のエゴではないかと思うこともあります。

しかし、高齢化、過疎化が進む島では、どちらも対応しなければならない大きな課題。一人ではできないことも企業や行政と協力し、少しずつ、バランス良く進んでいければと思います。

最後に、寒風沢島だけでなく、浦戸諸島の方々にはいつも良くしてもらっています。 もし、このコラムを見ていただけているなら「いつもありがとう」と伝えたいです。


鎌田雄大(かまだ• たけひろ)
宮城県塩竈市出身。 大学中退後、 県内でプロ野球球団職員、 電気工事士、配送業等のさまざまな職を経て、 漁師見習いとして、2020年に地域おこし協力隊として寒風沢島に移住。 2023年に独立開業し、漁業、島の情報発信、 環境整備等の活動を続けている。

     

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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