つくろう、島の未来

2022年11月29日 火曜日

つくろう、島の未来

やりたいことのバトンパス。大崎海星高校で過ごしているといつもそんな気分になる。先生やスタッフ、地域の人が色々な色のバトンを持っていて、それを生徒につないでいく。先輩から後輩へ、時には後輩から先輩へも色々なバトンがつながれている。

僕が住む大崎上島(おおさきかみじま|広島県)は人口7,000人程度の瀬戸内海に浮かぶ離島である。「教育の島」と呼ばれるこの島にある地元の生徒と県外から来た生徒が通う大崎海星高校で、僕は学校の中にある「公営塾」のスタッフとして働いている。生徒はそれぞれ個性があり、得意なことも将来の夢も違う。もちろん、まだそんなことを考えたことのない子もいる。だから、毎日てんてこ舞いになりながら、一人ひとりと向き合っている。

塾の担当は「夢☆ラボ」という高校生が将来について考えるきっかけをつくる授業だ。大学生や社会人といった生徒に少し先の未来を見せてくれる人だけでなく、プロ野球選手や有名予備校の講師など、豪華なゲストにも協力いただき、生き方の選択肢が増えるように授業をつくってきた。

夢ラボのキーワードは「おもしろい」だ。知ること、違い、そして今しかできない挑戦を楽しんでほしいと願いを込め、言い続けていたら早一年が経ってしまった。

次の一年間はどんな一年になるのだろう。お互いに切磋琢磨しながら、時に笑い、時に泣く、バトンパスの毎日である。まるで友だちのような彼らと共に成長する日々は僕にとって青春である。(2022年5月発行『季刊ritokei』38号掲載)


高橋貴一(たかはし・きいち)
愛媛県松山市生まれ。小学校教師として勤務後、広島県豊田郡大崎上島町にて公営塾「神峰学舎」夢☆ラボ担当として活動中。「出会い」と「挑戦」の機会を届けるため、学内外をつなぐ実践に取り組む。島の仕事図鑑2021リーダー。

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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