つくろう、島の未来

2024年11月08日 金曜日

つくろう、島の未来

2017年の冬、働いていた東京を離れ、夫と共に宮古島(みやこじま|沖縄県)に移住しました。さまざまな生き物に出会える美しく青い海、道路を渡るシロハラクイナ、灯り不要の満月の夜、慣れなくてドキドキの台風接近……身近な自然に生かされていることを日々体感する生活は、かけがえのないものです。

移住する際に一番悩んだのが、仕事のことでした。離島は業種・職種の選択肢が少なく、都会や内地と比べて明らかに“職種格差”があります。他の多くの離島と同様、宮古島でもほとんどの若者が大学進学や就職で一度は島を出ますが、その後の経験を活かせる業界・職種の選択肢が島の中に少ないため、Uターンを断念する方も多いでしょう。

私は縁あって宮古島のリゾート企業の広報担当や観光協会の仕事に就いた後、フルリモートの会社で数年間の勤務を経て、昨年秋に法人を設立しました。現在、対面やオンラインを活用しながら、島内外のお客様を対象に、マスコミに向けた広報活動や社内コミュニケーション円滑化の支援を行っています。

オンライン会議も一般化した今、労働面において、離島在住が不利となることが減り始めたと感じています。スキルさえ身につけていれば、離島でもリモートワークを基盤とした生活ができる社会になりつつあります。

今後、この環境が後押しとなり、多くの若者が新たな仕事と共に宮古島に戻ってくることを願っています。(2023年5月発行『季刊ritokei』42号掲載)


蛭川万貴子(ひるかわ・まきこ)
広島県福山市出身。大学から上京しPR代理店で20年余の経験を積んだ後、2017年に宮古島に移住。昨秋、マスコミ向け広報活動と社内コミュニケーションを支援する合同会社エトスアップを設立。

     

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島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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