つくろう、島の未来

2022年12月06日 火曜日

つくろう、島の未来

中学生の頃の私は、とてもじゃないが素行が良いとはいえなかった。そんな自分を変えてくれた天売島(てうりとう|北海道)。天売島の人たちには返したくても返しきれない御恩がある。

中学3年生だった当時の私は、世間一般でいう不良ごっこをしている小さな男だった。毎日、夜遊びを繰り返し警察のお世話になるようなことばかりしてきた。

スマホばかりいじっていて普段テレビをなかなか見ない私が、ある日、学校から帰ってきたと同時に何の気なしにテレビをつけた。自分でもテレビをつけた理由が分からない。するとテレビに天売島の姿が映し出された。

ひょんなことから知った天売島という存在。天売島のことが気になりだし、調べてみると働きながら通える高校があることが分かった。当時の私は中卒で働くつもりだったが、天売高校に行きたいと思い始めた。

入学面接をクリアし、天売高校の一員となった。最初は先輩方と衝突したり、初めての仕事などで苦戦した。けれど、職場の親方をはじめとする島民の方々、天売のことや分からないことを教えてくれる先輩方のおかげで、ひとまわりもふたまわりも成長できたと思う。

天売島に来て2年。島での生活が早くも折り返し地点に差し掛かった。成長することを忘れず、卒業までに少しでも島民の方々に認めてもらい、自分が入学当時の3年生のような先輩になりたい。(2022年8月発行『季刊ritokei』39号掲載)


渡部彬人(わたなべ・あやと)
北海道旭川市出身。北海道天売高等学校2年。天売高校は約300人が暮らす天売島に設置される北海道の離島で唯一の町立夜間定時制課程普通科の高等学校。今年から後輩ができ、苦戦することもあるが、焦らずゆっくり、人間としてかっこいい男になりたいと考えている

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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