つくろう、島の未来

2025年03月31日 月曜日

つくろう、島の未来

山口県岩国市にある岩国港から高速船すいせいに乗り50分程度のところにある柱島。岩国と愛媛のほぼ中間の位置にある。島民(実際に住んでいる方)は、70人いるだろうか。平均年齢は78歳。まるで日本の最終回のような場所。2022年、僕はそんな柱島に地域おこし協力隊として移住した。

移住した当初、島民のほとんどは過疎や高齢化といった問題を受け入れ、特に解決をしようとはしていなかった。というより、どうしたら良いかわからない状態といったところだろうか。

地域おこし協力隊とは地域に移住し、ひとりの島民として仕事をまっとうする者のこと。しかしあくまで「よそ者」であって、壁が1枚あるような距離感である。いかに当事者としてものごとを考えられるかが大事だと、生活する中で色んな人から教えてもらった。

3年という期間での成果ではなく、もっと長期的な目線での成果を目指し行動することで、島民の一員になれるような気がしてきた。現在、柱島では将来の目標に向かい、家でいう「基礎」を着工中である。柱島の認知拡大や来島してくれた時の受け入れ体制など、島民にできない部分を僕が行い、逆に僕にできないことを島民の方々へお願いする。良い相互関係が築けてきた。

今年度いっぱいで、 地域おこし協力隊の任期が満了する。3年目からが始まりとよく島民の方々に言われる。 終わりでなく始まり。これからも柱島と共に暮らしていく。


横山桂(よこやま・けい)

福岡県出身。高校進学時に山口県へ進学。 大学は福岡に戻り、卒業後は高校の学校関係者へ就職。1年で辞め、高校時に過ごした山口県へ関心があり、 柱島の地域おこし協力隊へ応募。任期後は柱島と岩国市内で活動予定

     

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島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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