鞆の浦からフェリーに乗って約25分で着く有人島・走島。その島は、市内に住んでいても知らない人が多い、隠れた離島。
私が走島を知ったのは、この島で民宿やホテルの経営をする浜上さんが主催していたビーチクリーン活動を取材したのがきっかけ。船で島へ渡り、ビーチでごみを拾い、海遊び、その後は贅沢に海の幸を味わうというフルコース。
取材そっちのけで、ごみ拾いに参加してみると、結構ハマる。片っぽだけのビーサンとか、ブランドものの壊れたサングラスとか、砂浜に埋もれた真っ新のビールとか、ごみを拾って喜ぶのも変だけど、通称・夏の思い出ごみがあっておもしろい。
いい体験ができたな、と思っていたら、あれよあれよと走島とご縁ができて、今では毎週末は走島に行くように。カナヅチで、あまり海に行くことは少なかったけど、今は、島を走り回って、宿やビーチクリーン活動の手伝いをしているから、人生は何があるか分からない。
泳げたらもっと島が好きになると思うけど、新鮮な魚だったり、 漁師のおっちゃんとの雑談だったり、少しずつ懐いてくる島猫だったり、島の魅力はたくさん転がっている。今、国内外から瀬戸内の島は注目を集めていると思う。
700島以上もあるから、観光が多いところが注目されてしまいがちだけど、 小さな島だからこそ、唯一無二の個性はある! 小さな島の隠れた魅力を、もっと、もっと、発信していきたい。
小川茜(おがわ・あかね)
広島県福山市のタウン情報誌で編集者を経験、現在はフリーライターとして活動。取材で訪れた走島と福山市内の二拠点で生活をする(夏は島での滞在率が高め)。 田んぼと山しかない田舎で暮らしていたため、泳げないと思っている。