つくろう、島の未来

2021年10月23日 土曜日

つくろう、島の未来

私が暮らす八丈島(はちじょうじま|東京都)は、羽田空港と1日3便の空路でつながっており、都心からのアクセスが良いためか、最近、都会から離島に移住を希望する人たちが島に下見に来るようになりました。リモートワークが可能な仕事が増えてきたのも、その理由の一つのようです。

八丈島は人口7,200人ほどの島。100軒以上の飲食店がありますが、私たち家族が営む郷土料理屋にも、移住希望者のお客様が訪れ、相談に乗ることが増えてきました。

外海に囲まれた離島は、人口減少がもたらす社会への影響が大きく、移住者を増やすことはそのまま、島の存続を助けることにつながります。八丈島に限らず、多くの離島で人口減少が課題となっていますが、リモートワークのおかげでくい止めることができるかもしれません。

私には今年小学生になる息子がおり、将来は島を離れて都会の学校に行く日が来るかもしれません。親元を離れ、都会で暮らす経験もよい勉強になるとは思いますが、もし彼が、島で暮らしながらリモート学習で大学生活を送り、就職もできるとすればそれもいいだろうな、と勝手に考えることがあります。

少子高齢化と人口減少など、課題先進地である離島は、日本の未来を映す縮図であるといえます。島々の人口を維持し、島や日本の経済がより良く変化するための転機となるのが、リモートワークやリモート学習を可能にする先端テクノロジーであるように感じています。(2021年2月発行『季刊ritokei』34号掲載)


山田一行(やまだ・いっこう)
八丈島出身、44歳。創業42年の郷土料理屋の2代目。16歳から28歳まで都会で暮らし、人並みの知識や世間の常識を学ぶと共に、世の中の厳しさと理不尽を覚える。島に戻り郷土料理屋を経営。

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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