つくろう、島の未来

2024年12月27日 金曜日

つくろう、島の未来

7年前の地元新聞に掲載された「女性にターゲットを絞った『女性の女性による女性のための焼酎イベント・奄美黒糖焼酎女子会』をしたい」という記事。その女子会は2022年に現実のものとなった。

奄美黒糖焼酎は、奄美群島(あまみぐんとう|鹿児島県)のみで製造が許されている本格焼酎。五つの島合わせて25の酒蔵がある。私が酒造りを始めた26年前、焼酎製造に携わる女性は少なかった。

それから約20年、女性が造る黒糖焼酎の魅力を女性に向けて発信し、女性たちに自分スタイルの飲み方を見つけて黒糖焼酎を楽しんでもらいたいとの思いを取材で話したことが記事になった。夢で終わると思っていた。

忘れていた夢が再燃したきっかけは、本土から赴任してきた黒糖焼酎のおいしさに魅了された女性との出会い。改めて、自分のやりたかったことが湧き出てきた。

今がチャンスと「奄美の食文化を生かした健康的な飲食を提案し、百薬の長として奄美黒糖焼酎を長く飲んでいただけるようにすること。

そして自由な発想で奄美黒糖焼酎の新しい飲み方を創出していく」という主旨の企画書をつくり、共に活動する女性メンバーを各蔵や地元栄養士らから募り、「奄美黒糖焼酎女子倶楽部」を発足させた。

これまでに女子倶楽部の主催でイベントを2回開催し、活動も2年目を迎えた。応援してくださる方々の笑顔を胸に、これから先も奄美黒糖焼酎やシマへの思いを繋いでいく活動をしていきたいと思う。(2023年8月発行『季刊ritokei』43号掲載)


渡悦美(わたり・えつみ)
鹿児島県徳之島生まれ。大学卒業後、管理栄養士として病院勤務。結婚を機に退職。1996年に夫と共に奄美大島開運酒造を立ち上げ、製造を担当。現在は、商品開発に従事している。

     

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島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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