つくろう、島の未来

2020年08月05日 水曜日

四季の移ろいを肌で感じて生活する。養蜂をしていると、現代人が忘れてきた生き方や季節の移り変わりを体感しながら生活をしていける。

高校卒業と同時に上京し、時代の先端を行くIT業界に勤め、東京から故郷の佐渡島に戻ったのはまだ20代半ばだった。佐渡島は仕事がないと若者が嘆くが、これを打開するために行動を起こす者は少ない。しかし、行動を起こせば何かしらの成果がついてくる。東京で培った技術と経験を武器に、IT企業を立ち上げ、体を動かす仕事をしたいと養蜂を始めた。半農半IT、二足のわらじ生活の始まりである。

春夏秋冬、植生豊かな佐渡島ではさまざまな植物が季節の訪れを告げる。毎年繰り返す当たり前のことでも、自然の中に身を置くことで自身の視野が広がるのを感じた。自然から得られたインスピレーションは、ITにおいても養蜂においても新しいヒントを与えてくれる。

養蜂は空間農業とも呼ばれ、わずか1畳のスペースでも行うことができる。そんな養蜂は佐渡島の環境に適している。四季と多様な植物性を持つため、バリエーションに富んだはちみつが楽しめるからだ。

人と人の繋がりが強い佐渡島では、佐渡島の企業や人物とのコラボレーションもしやすく、はちみつも更なる付加価値を増してゆく。耕作放棄地が増える佐渡島に花を咲かせ、未来を担う子どもたちに養蜂という仕事の選択肢を残すために、今日も読書と実践で養蜂業を学び、前進を続けている。(2020年2月発行『季刊ritokei』31号掲載)


金子佳史(かねこ・よしひと)
高校卒業後に上京し、佐渡島で生活をするためIT企業で修行を積み、25歳の時に帰郷し起業、紆余曲折を経て2018年に養蜂を始め、半農半ITを通して佐渡島を活性化できるように取り組んでいる

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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