つくろう、島の未来

2025年03月12日 水曜日

つくろう、島の未来

24歳、 地方公務員。 地元教育委員会勤務。そう書くと何やら堅く聞こえてきそうだけれど実際はそんなことはなく、島ならではのオンとオフな日々を過ごしている。

ぼくは大学に進学し、就職もした。そして気づいたら生まれ育った島で働いている。巡り合わせというのか、運というのか、観光地としての新島しか知らなかったぼくが裏面のような立ち位置に回ってお仕事をできているのはとても奇妙ながらおもしろいなぁと感じる。それもそのはず、今は教育委員会に属し、小学生の頃に参加していた行事などを運営しているのだから。

風景としての新島は離れている間に少しずつ変わったけれど、それ以上に変わったのは自分なのだと最近は感じている。当たり前のように過ごしていた場所も、お仕事というフィルターを通して見ると、180°景色が変わる。イベントの動き方や、動かし方。そしてそこに少しでも携わってくれている方々。さまざまな人たちが繋がって、島の子どもや大人、観光客を楽しませてくれているのだと。

今の“自分”から見える風景は、どこかまだ夢のようだけれど、子どものときに顔見知りくらいだった島の大人たちと一緒にお仕事をしているのはまだ不思議で、そして同級生や幼馴染がもう少し増えたらなぁ、なんて思う。もう24歳。まだ24歳。できることはまだまだあるのだと信じて、微力であっても力になれるよう明日も楽しくがんばりたい。


西胤鼓麻(にしつぐこま)
東京都新島村育ち、24歳。高校卒業まで新島で過ごし、大学進学で上京。大学では観光学を専攻。気づいたら島根県の離島で就職し、ふとまた気づくと地元は新島に戻りあれこれと裏側を知るようになるような立場に

     

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島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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