つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

鞆の浦からフェリーに乗って約25分で着く有人島・走島。その島は、市内に住んでいても知らない人が多い、隠れた離島。

私が走島を知ったのは、この島で民宿やホテルの経営をする浜上さんが主催していたビーチクリーン活動を取材したのがきっかけ。船で島へ渡り、ビーチでごみを拾い、海遊び、その後は贅沢に海の幸を味わうというフルコース。

取材そっちのけで、ごみ拾いに参加してみると、結構ハマる。片っぽだけのビーサンとか、ブランドものの壊れたサングラスとか、砂浜に埋もれた真っ新のビールとか、ごみを拾って喜ぶのも変だけど、通称・夏の思い出ごみがあっておもしろい。

いい体験ができたな、と思っていたら、あれよあれよと走島とご縁ができて、今では毎週末は走島に行くように。カナヅチで、あまり海に行くことは少なかったけど、今は、島を走り回って、宿やビーチクリーン活動の手伝いをしているから、人生は何があるか分からない。

泳げたらもっと島が好きになると思うけど、新鮮な魚だったり、 漁師のおっちゃんとの雑談だったり、少しずつ懐いてくる島猫だったり、島の魅力はたくさん転がっている。今、国内外から瀬戸内の島は注目を集めていると思う。

700島以上もあるから、観光が多いところが注目されてしまいがちだけど、 小さな島だからこそ、唯一無二の個性はある! 小さな島の隠れた魅力を、もっと、もっと、発信していきたい。


小川茜(おがわ・あかね)

広島県福山市のタウン情報誌で編集者を経験、現在はフリーライターとして活動。取材で訪れた走島と福山市内の二拠点で生活をする(夏は島での滞在率が高め)。 田んぼと山しかない田舎で暮らしていたため、泳げないと思っている。

     

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島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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