つくろう、島の未来

2024年10月15日 火曜日

つくろう、島の未来

「島々仕事人」は島と島をつなぐ仕事に携わる仕事人の想いを紹介する企画。今回は、イラスト制作やワークショップを通して島々の魅力を発信するイラストレーターのpokke104さんです。記事の最後にはpokkeさんからの読者プレゼントもあります!
※この記事は『季刊ritokei』13号(2015年5月発行号)掲載記事になります。

■座間味諸島の海の中、心が踊り始めた

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エメラルドグリーンの海に、色とりどりのサンゴや魚、クジラ、ウミガメetc…。沖縄の海に生息する生き物が描かれたカラフルなイラストは、座間味ホエールウォッチングフェスタや美ら島水族館のポスターとなり、さまざまな場所に掲げられている。画面の中で躍動する生き物たちの可愛らしい表情は、見る人の心にとまり、ワクワクした気持ちを与えてくれる。

独特のタッチで描かれるこれらのイラストは、沖縄本島出身のpokke104(以下、pokke)さんの作品。沖縄や東京の離島をはじめ、国内外で活躍している人気のイラストレーターだ。

東京を拠点に活動するpokkeさんは、島とのゆかりについて「沖縄本島で生まれ育って、祖母や従姉妹がいる石垣島(いしがきじま|沖縄県)にもよく遊びに行っていました」と話す。転機となったのは15年ほど前に訪れた座間味諸島でのこと。国立公園に指定されるケラマブルーの海に潜ったとき、目の前に広がる美しい景色に、彼女の心が大きくはずんだ。「島に渡って、海の自然に触れるうちに、ワクワクすることがすごく増えたんです。なんてすばらしいところに住んでいるんだ!と実感して、それまでは当たり前だった地元の食文化や方言までが、すごく貴重に感じました」。その体験が今の仕事に生きていると、pokkeさんは軽やかな口調で語りはじめる。

■言葉が通じなくても、心と心で会話ができる

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「もとは地元のホテルや広告代理店に勤めていましたが、ものづくりの仕事がしたくて、絵を描き始めました」。そのうち個展を開くことが夢となり、個展のためにと描きためたイラストが大手企業の広告に採用され、イラストレーターとしての道が開けた。

現在、イラストを中心にさまざまな仕事を請け負う彼女は、伊江島(いえじま|沖縄県)でお土産品のロゴを制作し、阿嘉島(あかしま|沖縄県)の小学校でものづくり教室を開催し、新石垣島空港の開港イベントで子どもたちと飛行機をペイントするワークショップを開くなど、島だけでも数々の仕事をこなす。「阿嘉島で部分日食があったときに、子どもたちと一緒に日食メガネをつくったんです。日食メガネなのに『ひとつ目小僧』のメガネができたりと想像以上で!ものづくりの楽しさを改めて感じました」。

活動は海外にも及び、昨年は、石垣島Creative Flagの活動で台湾で「カジマヤー(風車)」をつくるワークショップを開いた。「台湾にもおじいちゃんやおばあちゃんがつくる風車があるんですよ。言葉は全然しゃべれないけど、心と心が会話できるんです。しゃべれたほうが良いんですけどね(笑)」。たとえ言葉が通じなくても、ものづくりに向かう彼女の純粋さに惹かれ、周囲は彼女の世界へと引き込まれていく。「人と人とつながることが一番やりたいですね。私にできることは、ものづくりを通じて地元のことや島のことを紹介することなので」。

■それぞれの島にある独自の色、そのワクワクを届けたい

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ある時、友人と野生のイルカが生息する御蔵島(みくらじま|東京都)に遊びにいったpokkeさんは、ドルフィンスイムで一緒になったお客さんに、自身が描いたイルカのポストカードをプレゼントした。するとそこに描かれたイラストが縁をつなぎ、御蔵島のイルカを描く仕事が舞い込んだ。

「御蔵島の海中には砂がないので、御蔵島のイルカを描く時は色使いを直したんです。それぞれの島に独自の色があって、海の中の様子も全然違う。魚の顔も人間の顔みたいに一匹一匹が違うんですよ」。pokkeさんは続ける。「座間味島で砂に手をつけて、手のひらにつく砂の色をみると、一粒一粒が虹色なんです。阿嘉島には黄色や赤の粒も。ぜひやってみて欲しいです!」。そう語るpokkeさんの目は、水面のようにきらきら輝いて見える。

「よく使っているエメラルドグリーンの色は、実は慶良間諸島で見たイラブチャー(ブダイ)の色がベースなんです。サンゴ礁やイソギンチャクを描くときも、あの時のイラブチャーを想像しているんです」。

pokke104という一風変わった名前には、「見たモノ感じたモノを心のポケットにいれて、作品を通して発信していきたい」という想いが込められているという。そんな彼女の作品には、彼女の目に焼きついた景色や、心いっぱいにふくらんだワクワクが散りばめられている。

(文・鯨本あつこ/写真・大久保昌宏)


プロフィール/
Pokke104(ぽっけいちまるよん)
沖縄県出身。広告媒体等のイラストレーション、店舗壁画、ライブペイント、ワークショップなどを国内外で展開。ミュージシャンとのコラボやCM出演など幅広く活躍。

www.pokke104.com

読者プレゼント

  • IMG_5339_s
  • ▼ポストカード3枚セット(1名様)
    インタビューでお話された、
    御蔵島との縁を結んだポストカード。
    それぞれの土地で感じた色彩で魅力的に描かれています。

  • pokke_s
  • ▼CD絵本『人魚の涙』(1名様)
    石垣島に伝わる大津波伝説を楽曲にした
    シンガーソングライター前花雄介さんの「人魚の涙」。
    子どもたちが描いた絵をpokkeさんがCD絵本に仕上げました。

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  • ▼イルカのタンブラー(1名様)
    夫婦のイルカがかわいらしい、
    pokkeさんのオリジナルタンブラーです。
    (容量350ml/直径:7.5cm/高さ:16cm)

プレゼントご希望の方は、ご希望の商品名、郵便番号、ご住所、お名前、電話番号を明記の上、タイトルを「pokke104読者プレゼント希望」として [ mail☆ritokei.com ( ☆マークを@に ) ] までご応募ください。

応募締め切り:2015年7月15日(応募者多数の場合は抽選とさせていただきます)

※当選者の発表は賞品の発送をもって発表に代えさせていただきます。
(当選者には7月20日までにお届けいたします)
※個人情報は商品発送のみ使用し、それ以外の用途に使用いたしません。

     

離島経済新聞 目次

『季刊ritokei(リトケイ)』島々仕事人

「島々仕事人」は島と島をつなぐ仕事に携わる仕事人の想いを紹介する企画。日本全国の「島」にかかわる、さまざまな仕事人をご紹介します。

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