つくろう、島の未来

2024年11月23日 土曜日

つくろう、島の未来

「帰国後のことを考えなければ……」魚島離島留学プロジェクトリーダーの求人を見つけたとき、私はドバイにいた。横浜で生まれ育ち日本の地方暮らしに興味があった私にとって、「教育×地方創生」はとても興味深いテーマだった。

私は日本体育大学を卒業し、JICA海外協力隊の体育隊員としてヨルダンのパレスチナ難民キャンプで活動した。その後、ドバイ万博日本館のアテンダント業務を担当し、その次に選んだ挑戦が魚島離島留学だ。

愛媛県の魚島は人口は約130名、魚島小・中学校の児童生徒数は4名。これ以上、島の人口を減らすわけにはいかない。活路を開くため上島町教育委員会が動き出し、魚島離島留学事業が始まった。その事業に私は手を挙げた。

事業に携わる中で私は最年少。その私がプロジェクトリーダーとして知らぬ土地で新しい事業に関わることはかなりハードだ。これまで海外で生活をしてきたものの、実はとても繊細で心配性。しかし、同じ環境でじっとしていられない私は常に新しいことに挑戦したがる性格でもある。最近よく耳にするHSPの中でもHSS型HSP(※)かと思う。

※「High Sensation Seeking」および「Highly Sensitive Person」の略で刺激を追い求める一方、感受性が強く敏感な気質をもった人を指す心理学用語

海外生活で私自身も文化の違いにとても刺激を受けた。離島留学では魚島の子どもたちと留学生たちがアイデアを出し合い、価値観を刺激しあって互いに成長する場になったらうれしい。(2022年11月発行『季刊ritokei』40号掲載)


佐藤滉治(さとう・こうじ)
神奈川県横浜市出身、1993年2月生まれの29歳。ヨルダンやアラブ首長国連邦など海外駐在を経験。教育×地方創生に興味があり、地域おこし協力隊魚島離島留学プロジェクトリーダーに就任。魚島のタコのおいしさに感動する

     

離島経済新聞 目次

島人コラム

島々で暮らす人々による寄稿コラム。離島経済新聞社が発行するタブロイド紙『季刊ritokei』の定番企画「島人コラム」に掲載された中から、抜粋してお届けします。

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