長崎県平戸市の度島は、人口572人の小さな島です。2014年4月に平戸市で一番最初にまちづくり運営協議会が設立されました。私は2015年から事務局に勤め、設立10年を迎え、気持ち新たに活動しています。
度島は、人口減少や少子高齢化といった課題を抱えつつも、協議会ではさまざまな取り組みを行っています。最初に取り組んだのは、島内に公共交通機関がない不便さを解消するために開始した、コミュニティバスの運行事業です。今では、単なる移動手段ではなく、住民同士の交流や助け合いを生む「移動するコミュニティ」としての役割を果たしています。
また、「次世代の担い手」として、中学生が主体となって地域活性化や防災について考える「度島まちづくり塾」を実施しています。彼らの視点や発想は、私たち大人にはない柔軟さがあり、新たな気づきを与えてくれます。単なる地域活性化に寄与するだけでなく、若い世代が地元への愛着を深め、いつかUターンやIターンとして故郷に戻り、新たな力となってくれる未来を期待しています。
この島での生活は決して便利ではありません。しかし、不便だからこそ生まれる助け合いや、住民同士の深い絆があります。「度島の誇り、未来へ繋ぐ力」 〜度島への誇りを次の世代に引き継ぎ、地域の発展を未来へ繋いでいく〜11年目となるまちづくり、これからも度島の住民と共に歩み続けたいと思います。
石田由香(いしだ・ゆか)
1980年長崎県平戸市生まれ。 縁あって度島に移住。 島に暮らして22年。2013年度度島地区まちづくり運営協議会立ち上げ時に委員として参加し、その後事務局員として勤務。 島のため、 いろんな課題に取り組みながら日々奮闘中