つくろう、島の未来

2024年12月03日 火曜日

つくろう、島の未来

島にまつわる本を紹介する島Booksの特別編。
今回は、東京・西荻窪の「旅の本屋のまど」店長の川田正和さんよりおすすめしたい島旅の本をご紹介いただきます。

※ この記事は『季刊ritokei』40号(2022年11月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

離島を旅する楽しみを味わう『離島ひとり旅』

『離島ひとり旅』 大畠順子・著

日本の離島をひとりで旅することを愛する著者が、非日常が味わえる日本全国の離島30島を初・中・上級編に分けて紹介した1冊。離島デビューにおすすめの島から、海中温泉や地底湖があるマニアックな秘島まで、全国各地の離島がデータとともに掲載されている。ちなみに、個人的におすすめの島は、香川県の高見島と長崎県の対馬です。
(辰巳出版/税込1,650円)

行けないからこそ旅情を誘う島々『秘島図鑑』

『秘島図鑑』 清水浩史・著

忘れられない歴史を持つ硫黄島、馬毛島や無理すれば行ける八丈小島、入砂島など、日本全国7,000の島々から無人島で交通手段もない「超」孤島33島を厳選。
島の忘れられた歴史から、国境問題・海洋資源まで網羅しつつ紹介した、日本初の行けない島の案内本。読むと、行けない島だからこそ感じる旅情がこみ上げ、どうにかして行ってみたいと思うから不思議です。
(河出書房新社/税込1,760円)

路線バスで沖縄らしさに出会う『沖縄の離島 路線バスの旅』

『沖縄の離島路線バスの旅』
下川裕治 著・中田浩資 写真

アジアを中心に約30年以上、旅の本を書き続ける旅行作家が、沖縄の離島で路線バスが運行している久米島、宮古島、石垣島、竹富島、西表島、与那国島、座間味島、伊江島、伊平屋島、粟国島などをめぐる。バス運転手と会話を交わし、食堂で沖縄そばを啜り、民宿に泊まってビールを飲みながら、路線バスの旅の心地よさを再発見する紀行エッセイ。失われつつある沖縄らしさが路線バスにはいまだ健在。
(双葉社/税込1,925円)

ゆったりとした奄美の島時間を体感『奄美の島あるき』

『奄美の島あるき』金関亜紀・編著

『日本全国うまい焼酎虎の巻』の著者が、豊かな自然、サンゴの白浜、400年続く祭事、遺された戦争遺産、黒糖焼酎の酒蔵といった魅力を、奄美大島、加計呂麻島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の各島ごとに島の地図、歴史と文化、モデルコースなどをイラストや写真とともに詳細に紹介した1冊。大島以外の奄美群島に興味が湧くはず。
(西日本出版社/税込1,430円)

潜伏キリシタンの歴史に静かに思いを馳せる『長崎・五島 世界遺産、祈りが刻まれた島』

『長崎・五島 世界遺産、祈りが刻まれた島』
江濱丈裕・著

五島列島で生まれ育った著者が、福江島、中通島、小値賀島、野崎島など五島列島に点在する世界遺産に登録された教会や集落を中心に、潜伏キリシタンの迫害の歴史や島の人々とのふれあいを紹介した1冊。教会を見学する際のマナーや教会建築の注目ポイントなども詳しく掲載されていて、五島列島以外にも長崎本土や天草地方の旅情報も満載。五島列島&長崎を旅する際には必携です。
(書肆侃侃房/税込1,870円)


紹介者

川田正和(かわた・まさかず)さん
1967年神奈川県生まれ。明治大学文学部卒業。アルバイトでお金を貯めては世界各国へ旅を繰り返す中、旅の本屋を始めようと決意。書店員を経験した後、2007年西荻窪で「旅の本屋のまど」をオープン。

     

離島経済新聞 目次

島Books&Culture

関連する記事

ritokei特集