つくろう、島の未来

2022年07月06日 水曜日

つくろう、島の未来

島で育つ少年少女の成長や島で働く介護職員の奮闘、ものづくりや歴史を伝えるドキュメンタリー。島で生きる人々を描く、6つの映画作品をご紹介。

(文・石原みどり)

※この記事は『季刊ritokei』37号(2022年2月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

オール佐渡島ロケで描く少年の成長物語
『ブルー・ウインド・ブローズ 〜Blue Wind Blows〜』

新潟市在住の監督が佐渡島(さどがしま|新潟県)を舞台に撮影。島内オーディションにより選ばれた田中日月さんが主人公アオを、実の妹である椿さんが妹キイを演じ、飾らない島の日常や自然豊かな風景が描かれる。行方不明の父を想い、人との出会いを通じ成長していく少年の物語は、国境を越えて多くの人に訴える普遍性を持ち、海外の映画祭でも高く評価されている。

©TETSUYA to MINA film
監督・富名哲也 プロデューサー・畠中美奈
2022年秋公開予定 tetsuyatominafilm.com

ハンセン病の歴史と元患者の肉声が胸に響く
『NAGASHIMA〜“かくり”の証言〜』

「島流しのような感じがした。家には帰れんと」隔ての海に囲まれた岡山県長島(ながしま)のハンセン病療養所。
国内各地や朝鮮半島出身者などが療養し、故郷に帰れず生涯を終えた人々は、およそ3,700人にものぼる。新型コロナウイルスが猛威を振るい、医療者や患者への差別や偏見も聞かれる今、元患者の方々が語る思いに耳を傾けたい。

企画制作:「NAGASHIMA“かくり”の証言」製作実行委員会
監督・撮影・編集・構成:宮﨑 賢
脚本:曽根 英二
https://nagashima.mognet.jp/

瀬戸内の島で暮らす少女が見つめた家族の話
『凪の島』

島唯一の診療所で医師として働く母方の祖母のもと母と共に身を寄せて暮らす少女、凪が主人公。普段は子どもらしく明るく振る舞っているが、度々蘇る、暴力的な父の記憶が凪を苛む。女所帯の子育てを温かく見守る島人たちに囲まれ、少しずつ笑顔を取り戻していく凪だったが、ある日突然、島に父が現れ……父の願いを聞いた凪が下す決断とは。

©2022『凪の島』製作委員会
監督・脚本:長澤雅彦 出演:新津ちせほか
2022年公開予定 nagishima.com

小さな離島で働く介護職員の奮闘
『僕とケアニンと島のおばあちゃんたちと。』

鹿児島から週2便のフェリーで約12時間。人口約100人、秘境とも言われるトカラ列島宝島(たからじま|鹿児島県)に、若手ドキュメンタリー監督が半年間滞在し撮影。伝統文化を守り、住人同士が支え合う暮らし、住人が織りなす喜怒哀楽が綴られる。監督と同時期に東京から移住した青年は、未経験の介護職と島暮らしに苦戦しながらも利用者を思いやり、少しずつ地域に溶け込んでいく。

©映画「僕とケアニンと島のおばあちゃんたちと。」
監督・撮影・編集:佐々木航弥
2022年初春公開予定 https://bokucare.com/2/

島の神人による祈りとものづくりの日々
『むんじゅる笠』

竹と麦わらで編む「むんじゅる笠」は、日差しの強い沖縄で、畑仕事の必需品だった。
かつて農業のかたわら副業としてつくられ、現在は琉球舞踊の小道具として伝わるこの笠を、沖縄県北部の瀬底島でつくり続けた故・大城善雄さんを追ったドキュメンタリー。
島唯一のむんじゅる笠のつくり手であり、神人(カミンチュ)でもある大城さんの祈りが島に響く。

©海燕社
笠づくり:大城善雄   原案:野村岳也  監督:城間あさみ
製作・配給:海燕社 ドキュメンタリー
DVD/5,500円(税込) 発売元:海燕社
【劇場公開予定】
3月11日(金)〜24日(木)アップリンク吉祥寺
3月25日(金)〜31日(木)アップリンク京都
http://www.kaiensha.jp/munjuru_schedule.html

海を越えて結ばれた平和への願い
『海を越える愛』

生花を通して日露の交流を続けるフローリストのアンドレエワ・エレーナ氏が、西ノ島(にしのしま|島根県)在住でシベリア抑留の経験者である玉木武雄さんら隠岐などの住民6人と、ロシア人3人に戦争にまつわる家族の思い出や両国の交流をインタビュー。日露戦争やシベリア抑留の記憶を辿りながら、異なる背景を持つ人々が共に生きること、海を越え現在も続く平和への願いを伝える。

©ロ日の懸け橋「花道」プロジェクト
企画:アンドレエワ・エレーナ ドキュメンタリー
海を超える愛(Youtubeで無料公開中)
https://youtu.be/ePbn7Hvnlj8

【お詫びと訂正】
2022年2月24日発行フリーペーパー版『季刊ritokei』37号の島Books&Cultureページに重大な誤りがございました。関係各位ならびに読者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。ウェブ版『ritokei』同企画に掲載の原稿は訂正版となりますのでご了承ください。

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