つくろう、島の未来

2022年12月09日 金曜日

つくろう、島の未来

島にまつわる本を紹介する島Booksの特別編。
今回は、瀬戸内海の島で活動する「港の編集室」さんの本棚より、地に足のついた地域づくりを目指す人々におすすめしたい本を紹介します。

※ この記事は『季刊ritokei』39号(2022年8月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

過疎地域で暮らす上で大切な姿勢を学ぶ『忠吉語録』

『忠吉語録』 野津恵子 著・森善之 写真

島根県で地域循環型の有機農業を実践する、木次乳業の創業者「佐藤忠吉」の言葉をまとめた本。
「食と農」に人生をかけ、風土に寄り添う彼の人柄や価値観に感銘を受けた一人の主婦が彼の話を1冊に。
「地域は沈静化すべき」「人の為と書いて偽なり」など過疎地域で暮らす上で大切な姿勢を学ぶことができます。
読み終わった後、少し落ち着いた目で自分の地域を見ることができるようになりました。(DOOR BOOKS/税込1,980円)

離島のかつての暮らしを読み解く『日本の村・海をひらいた人々』

『日本の村・海をひらいた人々』 宮本常一・著

日本中の農山漁村に暮らす名もなき人々の生活を歩いて、見て、聞いた民俗学者・宮本常一。
村と海の暮らしをまとめたこの本からは、集落の暮らしを読み解くさまざまな視点が学べます。
「クジラとり」の章には私たちが暮らす内海町の田島の先人たちのことも書かれています。
町の歴史や先人の生活を知ることで、その風景をまた違った角度で見られる気がします。(筑摩書房/税込748円)

地方発!今と未来への希望を発信『みんなでつくる中国山地』

中国山地から「過疎は終わった!」と問いかけ、100年続けることを掲げて創刊した年刊誌。
あらゆる情報が都市から発信されることに疑問を抱き、地方の今と、未来への確かな希望の兆しを地方から発信。
「小規模・分散・ローカルにこそ、持続可能な社会のヒントがある」と考える人たちの止まり木のような存在です。
きっと島に暮らす人たちにとっても、共感することがたくさんあると思います。
(中国山地編集舎/創刊号 税込2,640円ほか)

島暮らしと共通する価値観『山學ノオト』

『山學ノオト』  青木真兵・青木海青子 著

人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」を運営する奈良県東吉野村の夫婦がその生活を綴った一年日記。
エッセイや「研究ノオト」だけでも十分におもしろく山村での“生産性のない”生活は、いわば社会実験。一貫性や整合性がなくてもいい。
島での暮らしを選んだ私たちにとっても、上手く言葉で表現しきれない、大切にしたい価値観を言語化してもらっているような気がします。
(エイチアンドエスカンパニー/税込1,980円)

過疎地域を次世代に受け継ぐ希望『ぐんげんどう』

『ぐんげんどう』 石見銀山生活文化研究所・編

島根県大田市大森町で、アパレルブランド「群言堂」を育て上げ、地域の魅力を全国に発信する「石見銀山生活文化研究所」の歩みを綴った2冊組書籍。
人口400人ほどの小さな町で、土地の文脈を受け継ぎ次の世代へとつないでいくその姿は、私たちの理想であり希望でもあります。
私たちも、土地に根差した“根のある暮らし”をコツコツと積み重ねていきたいです。(平凡社/税込5,500円)


紹介者

中尾守岐・中尾圭
広島県福山市の島・内海町に2016年にUIターン。「港の編集室」として夫婦で写真撮影やデザイン、聞き書きなどをしている。築130年の島の村長さんの家を受け継ぎ、かつての島の暮らしを参考にした生活を実践中。

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