奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)と喜界島(きかいじま|鹿児島県)出身で音楽活動をする「みなみなみなみ」(我那覇美奈さん、城南海さん、牧岡奈美さんの3人のユニット)と奄美好きが高じて奄美はぶ大使を務めるスティーヴ・エトウさんに島への想いを伺いました。
(聞き手・鯨本あつこ/写真・大久保昌宏)
奄美大島と喜界島出身で音楽活動をする我那覇美奈さん、城南海さん、牧岡奈美さん。
「みなみなみなみ」とはある日、奄美好きが高じて奄美はぶ大使としても活動する
スティーヴ・エトウさんが、3人の名前を並べたことからはじまった奄美の新ユニット。
4人に島への想いを伺いました。
タブロイド紙『季刊リトケイ』7号に掲載されたインタビューのロングバージョンです。
「よそもの」目線は失いたくない(スティーヴ)
リトケイ
さてさて、あっという間のお時間でしたが、最後に島の方や読者へのメッセージをお願いします。
我那覇さん
これ(リトケイ)はあちこちの島の人も見ていますもんね。その場所に生まれた運命というか、東京に生まれていてもそうだけど、まずは自分が住んでいる場所の良いところも悪いところも知って好きになりたいですよね。住んでいる頃は近すぎて嫌いで……。出てしまった人間だからこそ思うんですけど、島がなかったらできあがらなかった人間だから。私はこれからふるさとを大事にしていきます!
城さん
けっこう大きくなってシマ唄の良さに気づいたんですが、シマ唄の「シマ」とは「集落」のことなんですよね。その地域に根ざした音楽がシマ唄で、そう考えるとどこにでもシマってあって。自分のふるさとがシマなんです。「あなたのシマはどこ?」って奄美でもよく言うんですけど、みんなに自分のシマがあるわけだから大きくなってからでもいいから、触れたり伝えたりする機会をもって、自分のシマの良さを再確認して欲しいなってすごく思いますね。
牧岡さん
私は遅い上京で、島に長くいたにもかかわらず、島のことを分かってなかったなって、今思っているんです。帰るところがあるというだけでも幸せだなって思うし。分からないこともあるから、シマ唄を続けて、おばちゃんなんかを喜ばせたい。みんなで盛り上げて、島の人の優しさを知ってもらいたいなっち思います。
我那覇さん
ここは「ち」で書いてくださいね(笑)
スティーヴ
やはり、「よそもの」目線は失いたくないなって思いますね。こっちにきて知ったことがあるように、最初にびっくりしたとも忘れたくない。知ったかぶりで語ることもしたくないですし、ずっとびっくりしたいですね。「へえっ」て言い続けられたらいいなと。行けども行けども面白いことがでてきますしね。今後とも魅力をほじくりかえして「やぎってくさくないんだ」とか教えてあげたいですね。そう、山羊のジンギスカンとかも企てていますし。
我那覇さん
いい!
スティーヴ
何か生まれてきたらいいなと。もちろん演奏もしますよ(笑)。
一同
そうだ、みんなアーティストだった!
スティーヴ
そうだ、ぼくは演奏家だった(笑)。
一同
ははは。
リトケイ
今日はみなさんありがとうございました!
(お話を聞いた人)
スティーヴ・エトウさん
1958年L.A.生まれ。国内外で活躍する打楽器奏者。45歳で奄美大島に出逢い10年通い続ける。現在は「原ハブ屋奄美」公認はぶ大使として奄美のPRにも関わる。
♪お知らせ >> 今日の奄美群島をお届けする情報ライヴ しーまブログプレゼンツ「Dear どぅし でぃや」を不定期開催しています。次回は12月21日(土)に西麻布の新世界にて。
我那覇美奈(がなは・みな)さん
奄美大島名瀬出身のシティーガール。『終わらない夏』、映画「あずみ」主題歌『ねがい』、『月の雫』などをリリース。スティーヴさんと奄美イベント「Dear どぅし でぃあ」も開催中。
♪お知らせ >> デビュー15周年記念ベストアルバム ゴールデン☆ベスト「初心忘ルベカラズ」発売中。奄美関連ライブイベントも積極的に行ってます。詳しくはオフィシャルブログetc..まで。
城南海(きづき・みなみ)さん
奄美大島生まれ。2009年「アイツムギ」でデビュー。NHKドラマ「八日目の蝉」の主題歌『童神~私の宝物~』などを担当。米国・Japan Dayや、中国・上海万博に参加するなど、国境を越え活躍の場を広げている。
♪お知らせ >> 11月20日にニューシングル「チョネジア~天崖至睋~」発売。毎週水曜21時 BSジャパン「徳光和夫の名曲にっぽん~昭和歌謡人」にレギュラー出演中。
牧岡奈美(まきおか・なみ)さん
喜界島出身。25歳で上京し、唄者として活動。18歳の時に奄美民謡大会で最高賞の大賞を受賞。鹿児島県民謡王座決定戦大会では3年連続優勝受賞し、名人位を与えられる。
♪お知らせ >> アルバム『シツルシマ』は、祖母・盛スミ子の出身地でもある喜界島の上嘉鉄(かみかてつ)の旧名。喜界島の八月踊りを収録する作品としては史上初。
離島経済新聞 目次
『季刊ritokei(リトケイ)』インタビュー
離島経済新聞社が発行している 全国418島の有人離島情報専門のタブロイド紙『季刊ritokei(リトケイ)』 本紙の中から選りすぐりのコンテンツをお届けします。 島から受けるさまざまな創作活動のインスピレーションや大切な人との思い出など、 島に縁のある著名人に、島への想いを伺います。
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