つくろう、島の未来

2022年05月22日 日曜日

つくろう、島の未来

佐渡島(さどがしま|新潟県)の新潟県立佐渡総合高等学校では、2020年度の授業で島で働く大人たちへのインタビュー取材が行われました。高校1年生(当時)が実際に話を聞き、写真を撮影した大人は96人。それらを収録したインタビュー集『佐渡で暮らす私は』(発行:3710Lab)より、11の記事を抜粋して掲載します。

今回は、いごねり製造者をされている、中川春美さんのインタビューをお届けします。インタビュアーは渡邊唯彩さん。

私は「早助屋」という店でいごねりを製造しています。毎朝6時前には起き、6時にはいご草を煮始めます。

早助屋で働き始めたのは、今から約50年ほど前です。働き始めたきっかけは、先代からずっと続いている仕事だから。そして、ヘルシーで、体にもとても良い品物だからです。

仕事をしていてつらいと思うのは、朝が早いことです。前の日の夜、どうしても寝るのが遅くなったとしても、次の日の朝はいつもと変わらず早いので、とても大変です。ですが、仕事だと思って乗り越えてきました。いごねりを買ってくれる人たちのことを考えると、もっと頑張れました。「さっぱりしていておいしい!」や、「食感がいいね!」など、そういうお客さんのたった一言で私たちは仕事を頑張れるのです。たまに孫から「私の友達がいごねり好きって言っていたよ!」などという話を聞くともっと頑張れました。

お客さんは割と年齢の高い人が多いです。佐渡島は若い人より年齢の高い人の割合のほうが多いからです。

一番売れる時期は夏、お盆、年末、正月です。なぜその時期に一番売れるかというと、みんな地元、ふるさとに帰ってきたときに買ってくれるからです。また、帰るときにもお土産として買っていかれる方もいます。

社会人になるにあたって高校生時代に取り組むべきことは、大人の仕事を手伝ってみる、挑戦してみる、経験してみることだと思います。高校生のうちから、現在の社会ではどのような仕事があるのか、どのような仕事をしているのかなど、将来自分が仕事に就くときのためにいろいろ知っておくと、自分にぴったりな仕事を探せると思います。

社会人になって必要とされるものは、約束したことはきちんとこなす、言ったことはできるだけやり通す。「有言実行をする」ということだと思います。自分が相手を信じたら、必ず相手も自分のことを信じてくれる。そう思って私は今までやり抜いてきました。

私にとって佐渡島とは、人が良くて、素直で、自然がたくさんあって、落ち着ける、とても住みよい場所です。確かに東京や千葉などの関東方面などと比べると、行くところや見るもの、観光地などたくさんはないです。でも、佐渡島にはそれに勝る良いところがたくさんあります。
例えば、自然がたくさんあり、海もきれいだということ。夜になると、高いビルが全くない佐渡島では満天の星空が見えるのです。佐渡島の魅力はここに書ききれないほど、たくさんあります。こんなにたくさんの魅力がある佐渡島に住めて、仕事ができて、本当によかったなと思っています。


【書籍情報】
『佐渡に暮らす私は』
定価 2,200円(税込)
撮影・執筆 新潟県立佐渡総合高等学校
企画・監修 田口康大
アートディレクション・デザイン 伊藤裕
撮影 小倉快子(BOOKS f3)
サイズ W156mm×H231mm
発行 3710Lab
助成 日本財団
みなとラボ『佐渡に暮らす私は』販売ページ

【販売店一覧】
【佐渡島】
丸屋書店(両津)/池田屋商店(真野)/ニカラ (羽茂大崎)
【新潟県】
北書店 (新潟市)/ブックスはせがわ(長岡市)
【宮城県】
曲線(仙台市)
【神奈川県】
本屋・生活綴方(横浜市)
【長野県】
mountain bookcase(富士見町)/栞日(松本市)
【京都府】
恵文社一乗寺店(京都市)
【大阪府】
スタンダードブックストア(大阪市)
【兵庫県】
1003(神戸市)/ASOBU KAPPAN(淡路島)
【愛知県】
ON READING(名古屋市)
【広島県】
READAN DEAT (広島市)/本屋 UNLEARN(福山市)
【鳥取県】
汽水空港(湯梨浜町)
【熊本県】
橙書店(熊本市)

離島経済新聞 目次

【寄稿|佐渡に暮らす私は】

新潟県立佐渡総合高校1年生の「産業社会と人間」という授業で制作されたインタビュー集『佐渡に暮らす私は』より、記事を抜粋して掲載します。
自己の将来の生き方や進路について考えることを目的に、佐渡島の高校生が島で働く大人たちに話を聞いた96組のインタビューからは、とても多様な「佐渡に暮らす私」がいることの豊かさを感じられます。

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