つくろう、島の未来

2022年12月02日 金曜日

つくろう、島の未来

佐渡島(さどがしま|新潟県)の新潟県立佐渡総合高等学校では、2020年度の授業で島で働く大人たちへのインタビュー取材が行われました。高校1年生(当時)が実際に話を聞き、写真を撮影した大人は96人。それらを収録したインタビュー集『佐渡に暮らす私は』(発行:3710Lab)より、11の記事を抜粋して掲載します。

今回は、看護師長をされている、鈴木幸子さんのインタビューをお届けします。インタビュアーは鈴木凪さん。

私は佐渡市立両津病院で看護師として働きながら、6人の子育てもしています。休日の勤務や夜勤、24時間勤務をするなど大変な仕事をしています。

子どもの頃は、保育士になりたいと思っていました。中学生の時に母が、自宅で曽祖父母の介護をしている姿を見て、家族のために私も何かできることを手伝いたいと思うようになりました。佐渡の人口減少に伴い少子化が進み、高齢化率が40%という現状に合わせて、将来は医療に携わりたいと思い、人の役に立てる仕事である看護師を目指すことを決めました。勉強が得意ではなかったのですが、看護師になるという目標が決まると、勉強も頑張れました!

看護職ばかりではなく、どのような仕事も自身の生活の一部なので、どのようにしてモチベーションをあげてやるべきことに取り組むかで、仕事の受け止め方が変化すると思います。子どもの成長を見守ることも、私のモチベーションになっています。

例えば、試合に勝てなくて泣いていても努力している姿、友達とトラブルがあった時に悩みながら解決していく様子などを見た時には、私も頑張ろうと思うことがたくさんあります。辛いことも一人で抱え込まず、家族からの協力を得て生活ができているので、周囲で困っている人がいたら私ができることを手助けして支えるように努力しています。6人の子どもと家族がいるから、充実した日々を過ごせていると思います。

私が看護師になって良かったと思うことが2つあります。

1つ目は、患者さんに寄り添う事ができる、やりがいのある仕事だということです。看護師の仕事は楽なものではなく、人の命と向き合う中で、辛い事、悲しい事などにも多く直面します。また、長時間の立ち仕事や夜勤では、体力・精神力が必要とされます。大変な仕事ではありますが、辛いばかりの仕事ではありません。患者さんや家族の役に立った時に「ありがとう」と感謝の言葉や笑顔をもらう時、日常で看護の知識が役に立った時、チーム医療で患者さんにケアをする時にはやりがいを感じることが多くあります。また、安定した収入が得られることもやりがいに繋がっています。

2つ目は、両津病院の職場の環境が、仕事と生活が両立できるものだということです。就職した頃は子どもの行事のための休みや長期連休が取れない、仕事がなかなか終わらず残業が多いなど、生活を犠牲にして働く風潮がありました。このままでは子育てをしながら生活をしていく事が負担になり、離職が増え、看護師が不足してしまうという問題を解決しようと私たちが取り組んだのが、ワークライフバランスの実現です。

ワークライフバランスとは、ワーク(仕事)とライフ(生活)のバランス(調和)の取れた働き方を言います。業務の見直しや他部署の協力で、残業が減少し、多様な働き方を取り入れたことで、勤務の希望を優先し、子どもの行事への参加ができるようになりました。現在も現場の意見を大切に、業務の見直し、改善を行っています。「魅力のある職場環境」を目指して、一緒に働きませんか?


【書籍情報】
『佐渡に暮らす私は』
定価 2,200円(税込)
撮影・執筆 新潟県立佐渡総合高等学校
企画・監修 田口康大
アートディレクション・デザイン 伊藤裕
撮影 小倉快子(BOOKS f3)
サイズ W156mm×H231mm
発行 3710Lab
助成 日本財団
みなとラボ『佐渡に暮らす私は』販売ページ

【販売店一覧】
【佐渡島】
丸屋書店(両津)/池田屋商店(真野)/ニカラ (羽茂大崎)
【新潟県】
北書店 (新潟市)/ブックスはせがわ(長岡市)
【宮城県】
曲線(仙台市)
【神奈川県】
本屋・生活綴方(横浜市)
【長野県】
mountain bookcase(富士見町)/栞日(松本市)
【京都府】
恵文社一乗寺店(京都市)
【大阪府】
スタンダードブックストア(大阪市)
【兵庫県】
1003(神戸市)/ASOBU KAPPAN(淡路島)
【愛知県】
ON READING(名古屋市)
【広島県】
READAN DEAT (広島市)/本屋 UNLEARN(福山市)
【鳥取県】
汽水空港(湯梨浜町)
【熊本県】
橙書店(熊本市)

離島経済新聞 目次

【寄稿|佐渡に暮らす私は】

新潟県立佐渡総合高校1年生の「産業社会と人間」という授業で制作されたインタビュー集『佐渡に暮らす私は』より、記事を抜粋して掲載します。
自己の将来の生き方や進路について考えることを目的に、佐渡島の高校生が島で働く大人たちに話を聞いた96組のインタビューからは、とても多様な「佐渡に暮らす私」がいることの豊かさを感じられます。

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