つくろう、島の未来

2022年05月22日 日曜日

つくろう、島の未来

佐渡島(さどがしま|新潟県)の新潟県立佐渡総合高等学校では、2020年度の授業で島で働く大人たちへのインタビュー取材が行われました。高校1年生(当時)が実際に話を聞き、写真を撮影した大人は96人。それらを収録したインタビュー集『佐渡で暮らす私は』(発行:3710Lab)より、11の記事を抜粋して掲載します。

今回は、ドーナツ屋さんを経営されている、米山 耕さんのインタビューをお届けします。インタビュアーは伊藤麻衣さん。

私は『おいしいドーナツタガヤス堂』というドーナツ屋さんを経営しています。

私は新潟県長岡市の出身で、一度進学のために上京したあと、就職で京都など色々なところに行きました。ある時、新潟市にある『北書店』という書店で、佐渡で『ハロー!ブックス』というイベントがあると聞いて佐渡に来てみました。そしてイベントの手伝いをしつつ、佐渡に2週間ほどいました。その時すでに仕事も辞めていて、やることもなかったし、住めるところがあるという話だったので、とりあえず住み始めたというのが、佐渡に移住したきっかけです。

ドーナツ屋をやることになったきっかけは、4年前、『日和山』というカフェで、大阪の『あたりきしゃりき堂』というドーナツ屋さんが夏の間だけ間借りをしてやっていたとき、そのお手伝いをすることになったことです。お手伝いをしていく中で、店主さんに「引き続きドーナツ屋さんをやったらいいんじゃない?」と言ってもらったので、その時住んでいた大崎で『タガヤス堂』をやり始めました。

ドーナツを作る上でこだわっていることは、素材です。国産の小麦粉と、無添加の菜種油と、新潟県産の遺伝子組み換えをしていない飼料で育った鶏の卵を使っています。ドーナツは揚げたてが一番おいしいですが、プレーンドーナツをフライパンやトースターなどでリベイクして食べたりするのもおすすめです。

佐渡のいいところは、食べ物がおいしいところです。魚や野菜、果物など、色々採れるのがいいところだと思います。特に西三川の果物は四季を通じて色々なものが採れるし、それぞれおいしいので、たまに直売所に買いに行ったりしています。

佐渡にあったらいいなと思う制度は、移住者の立場からいうと、空き家を貸したい人と空き家を借りたい人とがマッチングできるような制度です。探している人が多いのにも関わらず、なかなか見つからないことが多いので、そういう仕組みがあったらいいなと思います。この他にも、移住したい人が利用できる補助制度や移住者が困ったときに相談できる窓口を分かりやすく紹介してくれる施設があるといいなと思います。補助制度はあると思いますが、それを知るきっかけがないので、役所の方から教えてもらえるような仕組みがあったらいいなと思います。

この仕事のやりがいは、地元の人たちと仲良くなれたことと、地元の人たちにお店があるということを喜んでもらえていることです。

大崎は地元以外で一番長く住んだ場所で、お店をやっていたことで、大崎にいることに意味ができてきたなと感じます。地元の人みんなにお店を受け入れてもらって、お店に立っていると、いつものおじいさん、おばあさんが犬や猫の散歩をしていたり、声をかけてくれたり、野菜を分けてくれたり……日常が当たり前になったことがありがたいことだと思います。


【書籍情報】
『佐渡に暮らす私は』
定価 2,200円(税込)
撮影・執筆 新潟県立佐渡総合高等学校
企画・監修 田口康大
アートディレクション・デザイン 伊藤裕
撮影 小倉快子(BOOKS f3)
サイズ W156mm×H231mm
発行 3710Lab
助成 日本財団
みなとラボ『佐渡に暮らす私は』販売ページ

【販売店一覧】
【佐渡島】
丸屋書店(両津)/池田屋商店(真野)/ニカラ (羽茂大崎)
【新潟県】
北書店 (新潟市)/ブックスはせがわ(長岡市)
【宮城県】
曲線(仙台市)
【神奈川県】
本屋・生活綴方(横浜市)
【長野県】
mountain bookcase(富士見町)/栞日(松本市)
【京都府】
恵文社一乗寺店(京都市)
【大阪府】
スタンダードブックストア(大阪市)
【兵庫県】
1003(神戸市)/ASOBU KAPPAN(淡路島)
【愛知県】
ON READING(名古屋市)
【広島県】
READAN DEAT (広島市)/本屋 UNLEARN(福山市)
【鳥取県】
汽水空港(湯梨浜町)
【熊本県】
橙書店(熊本市)

離島経済新聞 目次

【寄稿|佐渡に暮らす私は】

新潟県立佐渡総合高校1年生の「産業社会と人間」という授業で制作されたインタビュー集『佐渡に暮らす私は』より、記事を抜粋して掲載します。
自己の将来の生き方や進路について考えることを目的に、佐渡島の高校生が島で働く大人たちに話を聞いた96組のインタビューからは、とても多様な「佐渡に暮らす私」がいることの豊かさを感じられます。

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