つくろう、島の未来

2022年12月09日 金曜日

つくろう、島の未来

新潟県立佐渡総合高等学校では、2020年度の授業で島で働く大人たちへのインタビュー取材が行われました。高校1年生(当時)が実際に話を聞き、写真を撮影した大人は96人。それらを収録したインタビュー集『佐渡に暮らす私は』(発行:3710Lab)より、11の記事を抜粋して掲載します。

今回は、小木建設で働く伊藤昭彦さんのインタビューをお届けします。インタビュアーは伊藤海翔さん。

私は小木建設で働いていて、重機オペレーターをやっています。仕事内容は様々ですが、主に圃場整備という、田んぼを作る仕事をしています。私が住んでいる場所は佐渡島という新潟県に属する小さな島です。島ということもあって、あたりを見渡せば、海があったり森があったり、自然に囲まれている田舎です。田んぼが多いので、田んぼを整備したりする仕事は必要不可欠です。

田んぼを作るには、何を使うと思いますか?昔の人はスコップや手で掘って作っていたかもしれませんが、正解は重機です。重機で丁寧に形を作っていき完成させていきます。一言で重機と言っても、重機の運転や操作は意外と難しいです。いくつかの免許も取得しなければならないし、運転するにもたくさんの経験や練習が必要です。私は20年ほど重機を操作していますが、まだまだ学ぶべきことが沢山あります。

突然ですが、佐渡には朱鷺という鳥がいます。今、佐渡では空に朱鷺が飛んでいる光景をよく目にしますが、一時期は絶滅の危機に陥ってしまったほど、なかなかレアな鳥です。私が作っている田んぼには、朱鷺が好むドジョウが多く生息しているため、かなりの頻度で工事中に朱鷺が降りてきて、餌となる「どじょう」を食べます。この時、私たちは一旦作業を中断して朱鷺が飛び立つのを見守ります。

このように、佐渡では島民全体で自然を守っていこうという気持ちが感じられます。そして、その作業を終えた先にきれいな田んぼが出来上がり、月日を重ねて作り上げた田んぼは、地主の方に渡り、そこからおいしいお米づくりにつながり、各家庭の食卓に出ると考えると嬉しい気持ちになります。

佐渡は、食べ物もおいしく、自然も豊かですが、離島です。本土に行くためにはフェリーに乗っていかなければなりませんし、車を乗せると決して安くはありません。ですから、佐渡の自然を守りつつも、本土にあるような商業施設が佐渡にできたり、もっと手軽な移動手段ができたりすると便利だと思います。そのためにも、若い人たちには発想力をのばして、将来、佐渡のために貢献できるような作り手になってほしいと思います。


【書籍情報】
『佐渡に暮らす私は』
定価 2,200円(税込)
撮影・執筆 新潟県立佐渡総合高等学校
企画・監修 田口康大
アートディレクション・デザイン 伊藤裕
撮影 小倉快子(BOOKS f3)
サイズ W156mm×H231mm
発行 3710Lab
助成 日本財団
みなとラボ『佐渡に暮らす私は』販売ページ

【販売店一覧】
【佐渡島】
丸屋書店(両津)/池田屋商店(真野)/ニカラ (羽茂大崎)
【新潟県】
北書店 (新潟市)/ブックスはせがわ(長岡市)
【宮城県】
曲線(仙台市)
【神奈川県】
本屋・生活綴方(横浜市)
【長野県】
mountain bookcase(富士見町)/栞日(松本市)
【京都府】
恵文社一乗寺店(京都市)
【大阪府】
スタンダードブックストア(大阪市)
【兵庫県】
1003(神戸市)/ASOBU KAPPAN(淡路島)
【愛知県】
ON READING(名古屋市)
【広島県】
READAN DEAT (広島市)/本屋 UNLEARN(福山市)
【鳥取県】
汽水空港(湯梨浜町)
【熊本県】
橙書店(熊本市)

離島経済新聞 目次

【寄稿|佐渡に暮らす私は】

新潟県立佐渡総合高校1年生の「産業社会と人間」という授業で制作されたインタビュー集『佐渡に暮らす私は』より、記事を抜粋して掲載します。
自己の将来の生き方や進路について考えることを目的に、佐渡島の高校生が島で働く大人たちに話を聞いた96組のインタビューからは、とても多様な「佐渡に暮らす私」がいることの豊かさを感じられます。

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