つくろう、島の未来

2022年01月18日 火曜日

つくろう、島の未来

新潟県立佐渡総合高等学校では、2020年度の授業で島で働く大人たちへのインタビュー取材が行われました。高校1年生(当時)が実際に話を聞き、写真を撮影した大人は96人。それらを収録したインタビュー集『佐渡で暮らす私は』(発行:3710Lab)より、11の記事を抜粋してお届けします。

今回は、漁師兼加工業を営む平 昭宏さんのインタビューをお届けします。インタビュアーは平 真遠さん。

私は、佐渡で漁師兼加工業を営んでおります。漁師の仕事では、年中様々な網で魚を取っておるっちゃ。また、加工業では、自分で取った海の幸や、市場で仕入れてきた新鮮な海の幸を使って加工品を作っておるっちゃ。還暦を過ぎたけど忙しく暮らしておるちゃ。まぁ疲れた時は、昼間っから温泉にいくなぁ。長湯は、せんけも。

よく行くのは、サンライズ城が浜だ。あそこは、いいぞ~。安いし、いい温泉だぁ。あと、よくトンネルの中でウォーキングをするなぁ。トンネルは涼しくて歩きやすいんだっちゃ。わーはっはっはー。

今の仕事をする前にもいろんな仕事をしたなぁ。まず、高校卒業後、親戚の漁船で働いたなぁ。そして、夏になると漁がなくて仕事がないもんだから、北海道の酪農家で一か月だけ働いたなぁ。主に牛の世話などをしたなぁ。体力を使うから、腹が減って減って大変だったなぁ。店でもあればなぁ、パンでも買って食ったんだけど田舎だったからなぁ……まぁ佐渡では、なかなか経験できんから、いい体験だったなぁ。

そして、一旦漁師をやめ、土木会社で主に重機の運転の仕事をしたなぁ。松ヶ崎の海岸線の道を造るときに材料をブルトーザーで運んだなぁ。そんな中、親戚からの話で漁業協同組合のトラックの運転手が足らないとのことで運転手として入社したのが始まりだったなぁ。そこで38年間働いて、そこを退職した後、自営業という形で今に至ります。わーはっはっはー。

漁協で働いてる時もいろんな仕事をしたなぁ。トラックの運転手から、事務職、ガソリンスタンドのスタッフの仕事もしたなぁ。まぁ、いろんな仕事をした中で、一番心に残ってるのは、上司から言われた言葉だなぁ。その人は、組合長だったんだ。

上司「平、お前は何をしてもいい。」

平「何をしてもいいって、人を殺してもいいんですか?」

上司「お前がしてもいいと思ったらなんでもしろ。責任は、全部俺が持つ!」

俺は、上司の、この部下へ気持ち、これは、死ぬまで絶対忘れん。この人から学んだことは大きかった。そして、昔から言うんだぁ。利口な者は爪を隠せって。その人はいつもそうだった。

そして、これからもゆっくり今の仕事を楽しんでいきたい。そう言っても加工品の注文がいっぱいあってゆっくりできんだけどなぁ。そして、地域の人をちょっとでも地域活性化のため雇用していきたい。


【書籍情報】
『佐渡に暮らす私は』
定価(本体1,500円+税)
撮影・執筆 新潟県立佐渡総合高等学校
企画・監修 田口康大
アートディレクション・デザイン 伊藤裕
撮影 小倉快子(BOOKS f3)
サイズ W156mm×H231mm
発行 3710Lab
助成 日本財団
みなとラボ『佐渡に暮らす私は』販売ページ

【販売店一覧】
【佐渡】
丸屋書店(両津)/池田屋商店(真野)/ニカラ (羽茂大崎)
【新潟】
北書店 (新潟市)/ブックスはせがわ(長岡)
【宮城】
曲線
【山梨】
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【大阪】
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橙書店

離島経済新聞 目次

【寄稿|佐渡に暮らす私は】

新潟県立佐渡総合高校1年生の「産業社会と人間」という授業で制作されたインタビュー集『佐渡に暮らす私は』より、記事を抜粋して掲載します。
自己の将来の生き方や進路について考えることを目的に、佐渡島の高校生が島で働く大人たちに話を聞いた96組のインタビューからは、とても多様な「佐渡に暮らす私」がいることの豊かさを感じられます。

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