つくろう、島の未来

2024年12月30日 月曜日

つくろう、島の未来

有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』39号「島だから学べること」発行

8月25日に有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』39号「島だから学べること」を発行しました。9月上旬より全国1,160カ所の公式設置ポイントに設置され、配布閲覧がスタート、ウェブでも順次記事を公開していきます。39号の目次や見どころをご紹介します。

離島経済新聞社は、変化の激しい時代を生き抜くための学びを得られる場として、生きることの本質と結びつく原初的な知恵や、SDGsにもつながる先端的な挑戦がみられる離島地域に注目。『季刊ritokei』39号では、「島だから学べること」として子どもやファミリー、修学旅行、社会人などに向けて全国の島々で提供されているさまざまな学びのプログラムや、それを運営する人々を紹介します。

特集冒頭は、“9泊10日の島暮らしで学ぶ「生きること」への気づき”と題し、2011年の創業以来延べ2,600人の若者を国内外の島や農山漁村での「住み込み型ボランティア」ツアーへ送り出してきた、村おこしNPO法人ECOFFの代表理事、宮坂大智さんに取材。

ご自身も国内外50カ所以上の島を巡り、現在は台湾の島、澎湖(ポンフー)で暮らす宮坂さんの視点で「島だから学べること」を語っていただきました。

続いては元リトケイインターン 鈴木瑛さんと、喜界島出身の住岡尚紀さんが登場。現在、島根県の海士町(あまちょう|中ノ島)、西ノ島(にしのしま)、知夫里島(ちぶりじま)からなる隠岐島前エリアでは、「大人の島留学」に参加する若者が増加中。2022年4月からこのプログラムに参加する2人に聞いたリアルな体験をお届けします。

「大人の島留学」が盛り上がる隠岐島前3島は、島根県立隠岐島前高校から全国区に広がった「高校魅力化プロジェクト」の発信地でもあり、さまざまな学びのプログラムが存在します。“学びの最前線。隠岐島前にみる「問い」というキーワード”では、海士町 隠岐島前高校魅力化プロジェクトに携わる大野佳祐さんに、島で得られる学びを起点にした地域の可能性について伺いました。

奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま|鹿児島県)では、住民による継続的なビーチクリーン活動や、自治体や企業などの連携による脱炭素化など、持続可能な未来づくりの取り組みが進んでいます。

そんな島では、「子や孫が大人になったときにも笑顔あふれる美しい島つくり」をテーマに、東北大学名誉教授でネイチャー・テクノロジーを研究する石田秀輝先生が塾長を務める「酔庵塾」という学び舎が月に1回開かれています。

「島に学ぶ先生と先生に学ぶ島人の化学反応」では、「島に学びに来た」という石田先生と、先生に学ぶ島人として、観光ガイドの古村英次郎さん、ビーチクリーン活動や酔庵塾の事務局長を務める竿智之さんに、リトケイ編集長・鯨本あつこが話を聞きました。

九州最高峰の宮浦岳が中央にそびえ、雄大な自然に恵まれた屋久島(やくしま|鹿児島県)では、企業研修やファミリープログラム、キッズキャンプ、リトリートなど島の環境を活かしたさまざまな学びが提供されています。

「手に負えない自然のなかで知識が知恵に代わる学びを」では、大阪府から屋久島に移住し、自然ガイドを経てさまざまな年代を対象に学びのプログラムを提供する「モスオーシャンハウス」の今村祐樹さんに、屋久島で得られる学びについてお話しいただきました。

リトケイ編集部ではこの夏「島だから学べること」をテーマに作文を公募しました。寄せられた応募作の中から、与論島(よろんじま|鹿児島県)で出会った日常風景から学んだことを記した近藤功介さんの「リトケイ読者の私が島で学んだこと」を掲載します。

「リトケイ編集部おすすめの修学旅行&体験キャンプ」では、大崎上島・五島市・沖縄の島々で提供されている、島らしさを活かした修学旅行向けの体験・交流プログラムをご紹介。

また、「どこで学ぶ?学びの島MAP」として、特集に登場する全国の島々の学びのプログラムや島々の受け入れ情報を地図上にまとめました。

兵庫県家島諸島では、スマホやタブレットなどの普及に伴い、インターネット依存に悩む親子に向けたプログラムも。「ほぼ“圏外”の島でネット依存を克服 子どもたちのオフラインキャンプ」では、脱ネット依存を目指すオフラインキャンプを2016年から主催する、公益財団法人兵庫県青少年本部の取り組みを紹介します。

リトケイ事務局長が離島留学を実施する答志島と佐渡島を訪ねた訪問記「いつか、我が子を離島留学へ」と、リトケイ編集長のコラム「私が小さな島で学んだこと」にもご注目ください。

定番のインタビューページでは、無類の昆虫好きでも知られ、虫を追い求めて島を訪ねることもあったという、養老孟司さんにインタビュー。近い将来起こると予想される巨大地震に対し、防疫や災害対応の面で脆弱ともいえる都市社会の在り方を見直し、離島地域が持つ価値や可能性を示すお話は必読です。

島々に携わる仕事人の想いを紹介する「島々仕事人」には、「売り先がないなら、つくる」の姿勢で離島地域の産品を国内外に送り出す、株式会社萌すの後藤大輔さんが登場。島の事業者をサポートしながら販路を広げ、今後は島々での働き口を増やすことにも取り組みたいと語る、地域商社のご活動について話を伺いました。

「有人離島の人口変動」ページでは、平成27年・令和2年の国勢調査および、直近半年間の人口変動を3カ月ごとに掲載。離島留学や移住の参考にしていただける小学校・中学校・高校の設置状況も島ごとに掲載しています。ウェブ版『ritokei』有人離島一覧にも、同内容を掲載します。(9月下旬更新予定)

島にまつわる本や映画などを紹介する「島Books & Culture」欄は、田島(たしま|広島県)にUIターンし、写真撮影やデザインなどの活動をされているご夫婦「港の編集室」さんが「地域の暮らしを見つめ直す田舎暮らしのバイブル」5冊をセレクト。地に足のついた地域づくりを目指す人々におすすめしたい本を紹介します。

「島から島へ紹介したい島文化」では、400島あれば400通りある島の文化を島に暮らす文化人にご紹介いただきます。今回は、沖縄最北端の伊平屋島(いへやじま|沖縄県)で自生植物を使った民具の体験施設・ギャラリー《種水土花syumidoka》を主宰する是枝麻紗美さんによる「お供え行事」です。

「島人コラム」欄では、結婚を機に蓋井島(ふたおいじま|山口県)に移住した周防千秋さん、篠島(しのじま|愛知県)の美しさを写真に収め、10年続く海岸清掃を支援する辻満剛さん、北海道本土から天売島(てうりとう|北海道)の夜間定時制高校に進学した渡部彬人さんの3人による寄稿コラムを掲載します。

詳しくは『季刊ritokei』39号または、9月上旬よりウェブ版『ritokei』に掲載される特集記事をご覧ください。下記目次のリンクより、ウェブ版の記事をご覧いただけます(随時更新)。

ー 特集 ー

地球レベルの気候変動にテクノロジーの進歩と社会への浸透、少子高齢化、孤独の増加、人生100年時代の到来etc……。変化の波が次から次へと押し寄せる時代を生き抜くため、近年、教育や人材育成の現場では「生きる力」や「人間力」を養う学びに注目が集まっています。

そんななか、離島経済新聞社が注目したいのは学びの場としての島。

厳しくも豊かな自然が間近に存在し、人と人が助け合い支え合う暮らしのある離島地域には、先人から継承される原初的な知恵や、SDGsにもつながる先端的なアイデアや挑戦があふれています。本特集では全国の島々にある学びのプログラムや、それを運営する人々を取材。「島だから学べること」を紹介します。

ー 島だから学べること ー

●9泊10日の島暮らしで学ぶ「生きること」への気づき(前編後編)(村おこしNPO法人ECOFF代表理事 宮坂大智さん)
働き、暮らしながら島で学ぶ「大人の島留学」とは?(元リトケイインターン 鈴木 瑛さん、喜界島 住岡尚紀さん)
学びの最前線。隠岐島前にみる「問い」というキーワード(海士町 隠岐島前高校魅力化プロジェクト 大野佳祐さん)
●島に学ぶ先生と先生に学ぶ島人の化学反応(前編後編)(沖永良部島在住 東北大学名誉教授 石田秀輝さん、株式会社オールディビレッジ 古村英次郎さん、一般社団法人UP HOME WORKs代表理事・酔庵塾事務局長 竿 智之さん、リトケイ編集長 鯨本あつこ)
手に負えない自然のなかで知識が知恵に代わる学びを(屋久島 モスオーシャンハウス代表 今村祐樹さん)
リトケイ読者の私が島で学んだこと(近藤巧行さん)
リトケイ編集部おすすめの修学旅行&体験キャンプ(大崎上島・五島市・沖縄の島々)
●どこで学ぶ?学びの島MAP(全国41カ所)
リトケイ事務局長のいつか、我が子を離島留学へ(リトケイ事務局長 多和田真也)
ほぼ“圏外”の島でネット依存を克服 子どもたちのオフラインキャンプ(家島諸島 西島)
●私が小さな島で学んだこと(リトケイ編集長 鯨本あつこ)

ー インタビュー ー

「島がホントで都市がヘン」養老孟司さん
「島々仕事人」株式会社萌す 後藤大輔さん

ー 定番企画 ー

●有人離島の人口変動|島々の人口変動を3カ月毎にチェック!
島Books & Culture|地域の暮らしを見つめ直す田舎暮らしのバイブル(港の編集室)
島から島へ紹介したい島文化(伊平屋島 是枝麻紗美さん)
●島人コラム|蓋井島篠島天売島

ー 特別企画 ー

人手が足りない!資金が足りない!キリがない!人口500人以下小規模離島の「海ごみ」問題を考える
●ただいま展開中 島×海の味わいをたのしく学べる「離島の魚食文化を広めるプロジェクト2022」レポート


『季刊ritokei』は全国の公式設置ポイントにて配布・閲覧を行なっています。お近くの公式設置ポイントを一覧からご確認ください。
>>『季刊ritokei』公式設置ポイント一覧

飲食店や公共施設、企業のオープンスペースなど、誰でも立ち寄れる場所に『季刊ritokei』を無料設置していただけます。設置を希望される施設の方は、こちらをご覧の上、申し込みフォームよりご連絡ください。

また、子どもや青少年の学びを目的とした活動に『季刊ritokei』を無料で毎号お届けしています。ご活用を希望される学校・教育関連施設の方は、「活用方法」「希望部数」「送付先」の情報を添えてお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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