つくろう、島の未来

2022年11月29日 火曜日

つくろう、島の未来

「島のシマ」特集では、小さくてもつよく、やさしく、たのしい地域共同体(シマ)の動きを探るべく、人口150〜300人程度の集落単位で行われている素敵な取り組みについて、3島の方に伺いました。今回は、島後(どうご|島根県)の中町地区で活動されている大田耕士さんのお話をお届けします。(制作・ritokei編集部)
※ページ下の「特集記事 目次」より関連記事をご覧いただけます。ぜひ併せてお読みください。

※この記事は『季刊ritokei』38号(2022年5月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

>>前回:人口100人の小さな共同体 口永良部島で商店をはじめた夫婦に聞く島のシマ【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】はこちら

「防災」と「縁」で住民がつながる 隠岐の島の港町

中町は西郷港に近く、古い町並みが広がる地区です。土砂災害警戒区域にあり高齢化率は47%程。人の出入りする商店街ということもあり以前は顔見知りも半分程度でしたが、商店街の衰退や孤独死がニュースで報じられるなか、地域で「このままではいけない」という意識が生まれてきました。

そこで始まったのが、2012年に発足した自主防災組織「碧帽(へきぼう)防災会」です。30〜70代男性を中心に、見回りや避難路の草刈りなどを行い、防災訓練には約8割の世帯が参加しています。また、地域活性化を考えると防災活動だけでは弱いため、地域の人の心がつながるように同年「えんつくりの会」も発足させました。同会に所属する女性を中心とした約70人の担い手が、見回りが必要な約20世帯を当番制で訪問しています。あえて専任にしないことで、色々な人同士が自然と顔見知りになりました。

左:見守りで知り合った人が誘い合い、8割の世帯が参加する防災訓練/右:夏休みには地域の大人と一緒に子どもたちも防災巡回に参加する

高齢者や障害のある方の生活支援として、草取りや季節家具の入れ替えなどの生活サポートや、月1回のサロンも開いたりしています(コロナ禍の間はお弁当の配布と談話のみ)。こうした活動を10年続けてきたことが功を奏し、今ではほとんどの住民が知り合いで、何かしらの自治活動に参加しています。自発的に動ける人も多く、ある家の普段と異なる様子を察知した人が、中で倒れている住民を発見し、一命をとりとめたことはうれしかったですね。


【お話を伺った人】
西郷中町町内会連合会(約160世帯300人)

大田耕士(おおた・こうし)さん
市町村合併で隠岐の島町となる以前の布施村出身。室町時代からあったとされる西郷地区を愛し、防災や地域住民による見守り体制づくりなど、地域活性化に携わる。

>>「介護福祉施設がわりのサロンに集う温かな島(阿多田島)【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】」に続く

特集記事 目次

特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ

今回の特集は「島のシマ」。 シマ・集落・村落・字・区など、多様な呼び名がある地域共同体(特集内ではシマ・集落・コミュニティなどとも表現します)には、地域の歴史やそこで生きる人々の個性が織り込まれた独自の文化や暮らしが存在しています。

ここでは、暮らしや文化、社会福祉、子育て、教育、防災、産業振興など幅広いテーマで、つよく・やさしく・たのしいシマをつくる人々の動きや、心豊かなシマを保つためのヒントなどをご紹介。

あなたのシマを思い浮かべながら、リトケイと一緒に日本の島をのぞいてみませんか?

ritokei特集