つくろう、島の未来

2022年08月09日 火曜日

つくろう、島の未来

「島のシマ」特集では、つよく・やさしく・たのしい地域共同体(シマ)をつくる人々の動きや、心豊かなシマを保つためのヒントをお届けします。今回は、全国約400島の有人離島のなかに数多ある「シマ」に暮らす読者に、シマで想うことについて伺いました。(制作・ritokei編集部)
※ページ下の「特集記事 目次」より関連記事をご覧いただけます。ぜひ併せてお読みください。

※この記事は『季刊ritokei』38号(2022年5月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

>>前回:介護福祉施設がわりのサロンに集う温かな島(阿多田島)【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】はこちら

Q1.あなたが大切に感じている(または気に入っている)シマの活動は?

凡例(ペンネーム/職業/島の人口規模/エリア)
※ 島特有の行事等については島名も併記しています。

● 公民館活動
御嶽や海浜、道などの清掃活動。島の紹介や習慣などを周知する広報活動。
(unknown/無職・その他/100〜499人/九州沖縄エリアの島々)

● アンガマ ※ (石垣島)
旧盆行事で村の青年会が数軒の家を回り、先祖供養・珍問答などを行っています。
(星空ガイド/観光業/10,000人以上/九州沖縄エリアの島々)

※ 祖先とされるウシュマイ(爺)とンミー(婆)がファーマー(子や孫)を引き連れ、家々を回る八重山地方の伝統行事

● 集落清掃
月に1回、集落の皆で行う草刈り。草刈りをしながらも重要な情報交換の場になっています。
(ダンドリスト/自営業/10,000人以上/九州沖縄エリアの島々)

● 田皆ヤッコ (沖永良部島)
薩摩藩統治時代、痩せた土地で拠出できる年貢米も少ない沖永良部島では、年貢代わりに踊りで薩摩役人をもてなすなかで、独自に踊りの文化を発展させていきました。
島内各集落に少しずつ違うヤッコ踊りがあり(今も残るのは少数ですが)、運動会や地域イベントなどで披露するため、夏休みのラジオ体操時に指導などが行われています。
(たなか/パート・アルバイト/10,000人以上/九州沖縄エリアの島々)

● 飲み会
何かと口実をつけて飲み会をしたがるおじさんばかり。「集落の草刈り」と言いつつその後の飲み会がメイン!とても小さい集落なのでほとんどが60歳以上です。みんな気兼ねなく話をして、遠慮なく酔っぱらえる場所です(笑)。
(kana/会社員/10,000人以上/日本海エリアの島々)

● 秋祭り
毎年10月初め、高台にある神社から下にある学校のグランドまで続く狭く急な階段を、牛鬼を8人で担いで降りて、その後、子どもを4人乗せた櫓(やぐら)を太鼓をたたきながら20人くらいで担いで降りて、さらに御神輿が降ります。
グランドではおねりと言って櫓が中央でくるくる回り、その周りを御神輿と牛鬼が周り、それがずっと続きます。最後は御神輿が主導権を取り、牛鬼を追い出すといった行事です。
島には20人ほどしか住んでいませんが、その日は300人ほどが来てくれお祭りを進めてくれます。
(みっちー/パート・アルバイト/1〜99人/瀬戸内海エリアの島々)

Q2.シマで経験した自慢すべき「支え合い」「助け合い」の場面は?

● 普通のことかもしれませんが、子連れで歩いていると知らない人も優しく声をかけてくれたり、お店の人が自然と親切にしてくれるので、子どもにとってとても良い環境だと感じています。

● 先日の(トンガで発生した噴火による)津波警報が出た時、近所で声掛けをして避難した。「避難しよう」という声かけが避難行動の後押しになった。

● 家の中にムカデがでた時は電話1本で誰かが処理に来てくれる。

● 島は今、高齢者ばかりですが、昔から他人でも家族のような関係をつくっています。食事を持っていってあげたり、何かあると手伝ってあげたり。
島には病院がないため、具合が悪くなると救急船を手配します。階段ばかりのためみんなでタンカで船まで運び、送り出します。「にいちゃん」「ねーちゃん」と呼び合うひとつの家族のような文化ができてます。

Q3.シマの中で周囲の人々と心豊かに暮らしていくために「心がけていること」「大切にしていること」は?

● 高齢者を大切にすること。高齢者が島を大切にしてきてくれたからこそ、自分たちがこの素晴らしい環境・社会・文化を享受できていると感じています。

● 相手をリスペクトすることかと思います。島に長く住む人と移住者との生活習慣の違いはいかんともしがたいです。しかし、島を包括するひとつのお題目があると、その名のもとに協力して暮らしていこうと考えることができます。
幸いなことに、僕の島はしっかりとした島民憲章を有しています。その憲章の文言を知らなくても、その憲章の文言は暮らしのなかから生まれています。つまり、島がひとつのビジョンを持ち、皆がそのビジョンを共有し、お互いを尊重できる地域づくりを続けていけたらと思っています。

● 適度なコミュニケーション。

● 高齢者が少しでも長く島にいられるようにしてあげたいと思っています。そのためには、一人ひとりが健康に気遣って、怪我をせず過ごせるよう、支えてあげることを心がけています。

● 仲良くすること。

● 何事もお互い様!良いことも悪いこともみんなで共有する!(個人的にはおすそ分けが大事かなと)

● 都会にいた頃は、名もなき存在でいることが可能で、例えばサービス業の方に対してあくまでも自分は「お客さん」、相手は「業者さん」という線引きがありましたが、島では「お客さん」「業者さん」であると同時に「互いに身元を知っている隣人」でもあるので、「人として」の関わりを最優先するようになりました。
島に来たばかりの方には「馴れ合い」と映ることもあるようですが、匿名でいられないという環境だからこそ、あらゆる相手に対して親身に接することができるのだとも思います。


この企画は、2022年4月にオンラインで実施したアンケートの回答を元に制作しています。ご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。

>>「各家系の伝統行事を「一斉」に行い縁をつなぐ(津堅島)【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】」に続く

特集記事 目次

特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ

今回の特集は「島のシマ」。 シマ・集落・村落・字・区など、多様な呼び名がある地域共同体(特集内ではシマ・集落・コミュニティなどとも表現します)には、地域の歴史やそこで生きる人々の個性が織り込まれた独自の文化や暮らしが存在しています。

ここでは、暮らしや文化、社会福祉、子育て、教育、防災、産業振興など幅広いテーマで、つよく・やさしく・たのしいシマをつくる人々の動きや、心豊かなシマを保つためのヒントなどをご紹介。

あなたのシマを思い浮かべながら、リトケイと一緒に日本の島をのぞいてみませんか?

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