つくろう、島の未来

2022年08月09日 火曜日

つくろう、島の未来

「島のシマ」特集では、小さくてもつよく、やさしく、たのしい地域共同体(シマ)の動きを探るべく、人口150〜300人程度の集落単位で行われている素敵な取り組みについて、3島の方に伺いました。今回は、阿多田島(あたたじま|広島県)で活動されている島津香代さんのお話をお届けします。(制作・ritokei編集部)
※ページ下の「特集記事 目次」より関連記事をご覧いただけます。ぜひ併せてお読みください。

※この記事は『季刊ritokei』38号(2022年5月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

>>前回:「「防災」と「縁」で住民がつながる 隠岐の島の港町(島後)【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】」はこちら

介護福祉施設がわりの「サロン」に集う温かな島

1島1集落の阿多田島は、みんなが顔見知りで魚や野菜などのお裾分けが回ってくる温かい雰囲気の島です。高齢化率は40%程ですが、デイサービスなどの介護福祉施設はありません。2015年に地域包括ケアシステムづくりの一環として、老後や介護についてのアンケートをとったところ、多く集まったのは「島の中に集まれる場が欲しい」という声でした。

そこで、役場の事業を活用し地域住民の運営で、漁村センターに月1回、10時から15時まで自由に集まれる「あったかあたたサロン」を始めました。参加者は70〜80代が中心。昼食を挟みながら「いきいき百歳体操」やレクリエーション、お茶の時間を設け、時に映画鑑賞やおやつタイムなども盛り込んでいます。

次第に「サロンに来るのが楽しみ」という声が増えたため、回数を増やし、コロナ禍まで週2回体制で開催していました。サロンの日、島のおばあちゃんたちはおしゃれをして、お化粧もしてきます。心のハリにもつながっているようで「サロンがあって良かった〜」と言われることがとてもうれしかったです。

左:いりこ製造や牡蠣の養殖など漁業が盛んな阿多田島の集落風景/右:高齢者の介護予防と憩いの場づくりを兼ねたサロン活動の様子

阿多田島はハワイやブラジルへの移民が多かったこともあり、コーヒー好きが多く、ご近所同士でよくコーヒーとお菓子を囲みます。コロナ禍のうちはそうした時間もサロンもお休みせざるを得ませんでしたが、感染対策をしながらそろそろ活動を再開したいですね。今後はこの輪を広げて、若い世代が楽しめる新企画を考えていきたいです。


【お話を伺った人】
あったか阿多田つくろう会(約90世帯160人)
島津香代(しまづ・かよ)さん
阿多田島出身。小学2年生の時に家族で島外へ引っ越し、高校卒業後に帰島。民生委員として活動するなか地域の課題を感じ、心身の健康のため人が集まれる場づくりをスタート。

>>「島に暮らす読者に聞きましたシマを想う島の声【特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ】」に続く

特集記事 目次

特集|つよく やさしく たのしい 地域共同体に学ぶ 島のシマ

今回の特集は「島のシマ」。 シマ・集落・村落・字・区など、多様な呼び名がある地域共同体(特集内ではシマ・集落・コミュニティなどとも表現します)には、地域の歴史やそこで生きる人々の個性が織り込まれた独自の文化や暮らしが存在しています。

ここでは、暮らしや文化、社会福祉、子育て、教育、防災、産業振興など幅広いテーマで、つよく・やさしく・たのしいシマをつくる人々の動きや、心豊かなシマを保つためのヒントなどをご紹介。

あなたのシマを思い浮かべながら、リトケイと一緒に日本の島をのぞいてみませんか?

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