つくろう、島の未来

2021年06月19日 土曜日

「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」のラストを飾るのは、水産系ピン芸人としてさまざまな企画を独自敢行し、今年4月に『日本一魚好きな芸人の魚図鑑』を出版した“さかな芸人ハットリ”さん。ハットリさんが知る魚の魅力をリトケイ読者におすそわけし鱒(ます)♪
※ このページでは「鱒(ます)」のようにハットリさんご愛用の言葉をお借りしながらお届けし鱒

聞き手・ritokei編集部

※この記事は『季刊ritokei』35号』(2021年5月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

無謀?!な魚チャレンジ中に出会った島の魚とは?

ritokei

ハットリさんこんにちは♪

ハットリさん(以下、敬称略)

こんにちは(^0^)さかな芸人ハットリと申します!

ritokei

まずはハットリさんが「さかな芸人」になったきっかけを教えてください。

ハットリ

小さい頃に父親の渓流釣りについて行って以来、魚を好きになりました。海の魚にのめり込んだのは大学時代で、早稲田大学のダイビングサークル(その名もあんこう!)とお笑いサークルに入って活動しているうちに誕生したのがさかな芸人です。

ritokei

最近出された『日本一魚好きな芸人の魚図鑑』には、300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないというハットリさんのチャレンジが記録されていますが、他にも(失礼ながら無謀な)チャレンジをされていますよね。どんな経緯ではじまったんですか?

ハットリ

僕、昔から芸人さんが無人島で自分の捕った生き物だけで生きるサバイバル的な企画に憧れていまして。いつか出たいなぁと思ってたんですが一向にオファーが来なくて……。

ritokei

自分ではじめちゃった?

ハットリ

そうなり鱒。

ritokei

なるほど。すごい(@-@)!魚を追いかけるとなると島に渡ることもあったかと思います。島での思い出はありますか??

ハットリ

大学時代はダイビングで大島(おおしま|東京都)とか小笠原諸島(おがさわらしょとう|東京都)などに出かけて、小さな魚たちに魅了されました。アケボノハゼを見るためだけに高知県の柏島(かしわじま)を訪れたこともあり鱒(^^)

ritokei

いいですね〜。この特集は島の魚食がテーマですが、ハットリさんがとびきりおいしい!と感じた島のお魚料理にはどんなものがありましたか?

ハットリ

郷土料理に興味があるので、沖縄のスクガラスが好きです。小笠原の島寿司もおいしかったですね。島によって地魚が違うのでいろんな島の島寿司を食べ比べたいですね。

ritokei

ハットリさんの本をみると石垣島(いしがきじま|沖縄県)のヤシャベラにヒメアイゴ、ナンヨウツバメウオ、式根島(しきねじま|東京都)のアミメウツボ、イシガキフグなどが出てきて、正直なところ「こんな魚いるんだ」「こんな魚も食べられるんだ」とおどろきました。

ハットリ

深海生物だけ200種類食べるチャレンジをした時にはラブカという魚を食べたんですが、タラの刺身に近くて肝が絶品でしたね。

ritokei

ラブカの姿をネット検索してみたら、ギョッとする姿が出てきました……。おいしいんですね。

ハットリ

僕が実際に食べたのは400種類で、本で紹介しているのは100種類ほどです。でも、日本には4,000種類も魚がいるからまだまだです。

ritokei

日本には島が約6,800あると言われていますが、シマダスにも1,750島しか掲載されていいので未知なことばかりです。魚の世界もめちゃくちゃ奥が深いですね。

ハットリ

僕は日本人にとって魚ほど不思議な存在はないと思うんです。たとえばマグロの解体ショーとかがあると老若男女みんなが笑顔で拍手するのに、牛や豚だと成立しませんよね。魚をエンタメとして楽しみながらも、食べることでも深く関わっている点、日本人が魚と接する内容の幅がめちゃくちゃ広い。そのことも魚のおもしろさだなと僕は思ってい鱒。

ritokei

確かにそうですね。そもそも4,000種類も存在する魚は知れば知るほど奥が深すぎます。ちなみにハットリさんは石垣島でめずらしい魚を釣ったこともあるそうで。あの、ツーテッド……。

ハットリ

ツースポットバンデッドスナッパーですね。釣った魚だけしか食べないチャレンジの228種類目でした。

ritokei

(な、名前が長い)それです!なんでも日本初記録だったとか。

ハットリ

正しくは日本初記録になるところだったんです(悔)。石垣島の浜崎マリーナでこの魚を釣った時にツイッターに投稿したら、それを見た人から「まだ日本で正式な記録がない魚」とご指摘いただいて。

ritokei

すごいですね!

ハットリ

「すぐに送ってください」と言われたんですが……。

ritokei

まさか。

ハットリ

釣った日の晩にムニエルにして食べてしまっていたんです(T-T)

ritokei

わあぁぁぁぁ。

ハットリ

本来はインドネシア付近にいるはずの魚なので、標本があれば論文になる大発見でした。研究者の知人には「魚類研究史に残る犯罪」と言われました。それで先日、石垣島で捕獲された別の個体から「フタホシフエダイ」と名付けられたんです。あの時、ムニエルにしていなかったら「ハットリフエダイ」になっていたかもしれません。

ritokei

島で釣った魚で思い出深いものはありますか?

ハットリ

チャレンジの100種類目で釣った式根島のイシガキフグは思い出深いですね。イシガキフグって骨の構造がものすごいんです。あと、五島列島の奈留島(なるしま|長崎県)で釣ったクエ。奈留島には高校の同級生がいるんですが、島を離れるぎりぎりまでねばって釣りをしていたときに、偶然釣れたんです。

ritokei

クエといえば言わずと知れた高級魚じゃないですか。

ハットリ

そうです。最初はナルトビエイっていうエイを狙っていたのですが、巻き上げたところまさかのクエだったんです(^o^)♪

ritokei

いいですね〜!ハットリさんは渓流から海まであちこちで魚にふれあっていますが、島の魚にはどんな印象がありますか?

ハットリ

本でも紹介しているんですが、モンスター級の魚とかかわいい魚、あと高級魚は島に多いように思い鱒。

ritokei

なにせ4,000種類もいるので、日本の海にはまだまだいろんなおいしい魚が隠れていそうですよね。編集部も早くいろんな島に魚を食べに行きたいです。ところで、ハットリさんは教員免許や潜水士の資格もお持ちで、ととけん(※)1級も取られていますが、特に伝えたい魚のおもしろさはありますか?

※ 日本さかな検定の通称

ハットリ

いろいろありますが、魚の呼び方とかもおもしろいです。バラハタは小笠原では「チギ」、沖縄では「ナカジュー」と呼ばれていたりし鱒。沖縄のミーバイもメバルが語源だと思うんです。目が上に張り出しているから「目張り」。それが奄美だとミバリになって、沖縄ではミーバイ。そういうグラデーション的な違いもおもしろいんです。

ritokei

楽しいですね♪それでは最後にリトケイ読者に向けたメッセージをお願いし鱒。

ハットリ

今はコロナでなかなか島に行きにくい状況ですが、島の魚を使ったネタ(動画)をつくろうと思い鱒。コロナが落ち着いたら、僕と一緒に島で歌いましょう♪


さかな芸人ハットリ
1988年横浜生まれ福岡育ち。幼少期より父親の影響で渓流釣りに親しみ、大学時代にスキューバダイビングに熱中。早稲田大学のお笑いサークル早稲田寄席演芸研究会に所属後、2010年より芸人として活動開始。2014年日本さかな検定(通称ととけん)1級合格。2018年『300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないチャレンジ!』で全国をまわり、2019年3月に釣り大好き芸人としてテレビ朝日系列「アメトーーク!」に出演。
公式Twitter @hattori95
さかな情報・さかな替え歌&・さかなチャレンジ満載のハットリくんのYoutubeはこちらから♪

2021年4月に「300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないチャレンジ!」の記録をまとめた著書『日本一魚好きな芸人の魚図鑑』(KADOKAWA)が出版されました♪

さかな芸人ハットリさんと中学生さかな博士・伊藤柚貴くん出演!
6/6(日)無料のトークライブ(オンライン配信)を開催します♪


2021年6月6日(日)11時〜12時、伊藤柚貴くんと、さかな芸人ハットリさんをゲストに交え、「おいしい!楽しい!島の魚食図鑑」スペシャルトークライブをオンライン配信します。
親子で楽しめる、無料のトークライブ。「島が大好き」「お魚大好き」という方、「魚食嫌いのお子さんがいる」という方にもおすすめします!

特集記事 目次

おいしい!たのしい!島の魚食図鑑
海に囲まれた島国・日本の近海には約4,000種もの魚が存在し、海と共に生きる人々が多く暮らす島々には、個性豊かな魚食が存在しています。「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」特集では、リトケイ読者が選ぶ「忘れられない島の魚」や、島や魚を愛する人々のインタビュー、5つの離島エリアでの現地取材記事などなど、おいしい海の幸を盛りだくさんに「島の魚食」の魅力をお届けします。

この特集は、日本財団「海と日本PROJECT」の助成を受けて制作しています。

ritokei特集