つくろう、島の未来

2024年09月16日 月曜日

つくろう、島の未来

『未来の年表』(講談社、2017年) の著者・ 河合雅司さんはこう言いました。「これからはヒト・モノ・カネ・データの4つをどれだけ循環させ、いかに高付加価値化できるかの競い合いになります」。

離島地域を支える人がこれらを得るための足がかりとなるメディアやコミュニティを、ご案内します。

※この記事は『季刊ritokei』45号(2024年4月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

島に特化した情報は『ritokei』『島へ。』『季刊しま』

人口減少社会に対応するべく、国内の動きを把握するには新聞各紙や経済誌、地域づくりをテーマにした新聞や雑誌が便利です。ただし、情報が膨大かつ離島やへき地の小規模コミュニティにとっては参考にしづらい規模の事例も少なくありません。

そこで、 離島地域に特化した情報を得るには、(手前味噌ながら) 『ritokei』(離島経済新聞社)、『島へ。』(海風舎)、『季刊しま』(公益財団法人日本離島センター)の3つがおすすめ。

有人離島地域特有の事情をふまえながら、各メディアともに島々で展開される新たな取り組みや、 活躍するキーマンの動きを掲載しています。

フリーペーパー『季刊ritokei』 およびウェブ版 『ritokei』 (離島経済新聞社)/『島へ。』(海風舎)/ 『季刊しま』(日本離島センター)

官民連携情報は国のプラットフォームへ

離島振興を支える国土交通省や、有人国境離島地域を支える内閣府、地域創生を推進する総務省などの省庁が運営するプラットフォームに掲載される情報や、優良事例も参考になります。

総務省の『関係人口ポータルサイト』では、地域との関わりやつながりを持ち「関係人口」となりたい人への情報や、その受け皿となる各地の取り組みを紹介。

内閣府の『地方創生 SDGs官民連携プラットフォーム』では、地域課題を解決する官民連携プロジェクトの事例が豊富。

国土交通省の離島振興ページでは、ICTなど新技術の離島地域への実装を図る「スマートアイランド」 の推進事例など、国の離島振興施策をチェックすることができます。

産官学の協働を目指して開設された「スマートアイランド推進プラットフォーム」には離島の先進事例も多数掲載

キーマンが集う離島コミュニティへ

SNSが浸透したことで、オンライン上にも地域づくりに関する離島コミュニティが増加しています。

エリア別のコミュニティでは、離島人口日本一の鹿児島エリアで 『鹿児島離島文化経済圏』が活発に活動中。 SNS投稿はもちろん、ポッドキャストによる音声配信やオンラインイベントにより、現在進行形で進む島づくり情報やキーマンの想いをキャッチすることができます。

鹿児島の離島をつなぎ新たな価値を創造するコミュニティ『鹿児島離島文化経済圏』(リトラボ)

他にも、東京の島々に特化した地域情報やイベント等を主催する 『東京都離島区』などのコミュニティもおすすめ。

地域づくりのトップランナーとして知られる海士町はじめ隠岐諸島では、公式 noteの情報も充実しています。

東京の島々を結び活動するTIAMが運営する 『東京都離島区』

テーマ別では、医療に特化した『離島医療会議』や(またまた手前味噌ながら)島の子育て教育環境情報に特化したリトケイの姉妹メディア『シマ育コミュニティ』なども要チェック。

島内外を結び、離島医療のいまを知り未来を考えるオンライン会議「離島医療会議」
島内外の子育て教育に関わる人や親子の出会いと学びの場『シマ育コミュニティ』

(さらに手前味噌ながら)リトケイではこの秋、島々や産官学民のキーマンが一堂に会するカンファレンス 『未来のシマ共創会議』を開催します。

2050年に向けて、島と私たちはどう生きるか?そのヒントと具体的なパートナーに出会えるよう、まずは一歩 踏み出してみませんか?

離島を舞台に持続可能な世界をつくる共創を生み出す参加型イベント「未来のシマ共創会議」

特集記事 目次

特集|2050年に向かい島と私たちはどう生きるか

2024年を生きる私たちの日常は、2050年にはどんな姿をしているでしょうか。25年前には存在しなかった スマートフォンを、今や多くの人が当たり前に手にしたように、25年後には想像できない新技術が浸透しているかもしれません。

どんな時代でも、安心して暮らせる家や、食べもの、人が生まれ、育ち、すこやかな人生をまっとうできる環境はあってほしいもの。そんなリアルな豊かさを支える基盤は、法律や技術だけでなく、自身を生かす身近な世界にあると、リトケイは考えます。

本特集では、そんな身近な世界に注目し、人口減・高齢化・地球沸騰化の時代を心豊かに生き抜くために、今、考えたいテーマを追求します。

ritokei特集