つくろう、島の未来

2024年11月23日 土曜日

つくろう、島の未来

有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』43号「島で守る命と健康」発行

8月24日に有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』43号「島で守る命と健康」を発行しました。9月上旬より全国約1,200カ所の公式設置ポイントに設置され、配布閲覧がスタート、ウェブでも順次記事を公開していきます。43号の目次や見どころを紹介します。

命と健康について考えることはありますか?

400島あれば400通りの個性がある日本の島々で健やかに生き、幸せに命をまっとうするためには、自分や大切な人たちの命と健康とどのように向き合い、守ればよいか。

リトケイの命と健康の特集では、誰にとっても大切なテーマを島の皆さんや読者の皆さん、有識者の皆さんと一緒に考えていきます。

特集冒頭を飾るのは、小笠原諸島・母島(ははじま|東京都)在住の宮城ジャイアンさんによる「絶海の孤島で、死を思う」。突然見舞われたお腹の痛みに、ハラハラしながら1日を過ごした宮城さんの実体験です。

都心から南に1,000キロメートル以上、絶海の孤島に暮らす宮城さんがある瞬間に感じたように、自分の命や健康を意識する瞬間が誰にでも訪れます。

しかしながら、痛みや不快がなければ意識しにくい側面もあるため、リトケイは、オランダ発の「ポジティヴヘルス」を提案。健康を「状態」で評価するのではなく問題が起きた時に適応する「能力」でとらえる「ポジティヴヘルス」は、「身体の状態」「心の状態」「生きがい」「暮らしの質」「社会とのつながり」「日常の機能」をチェックするツールを使って知ることができます。

世界を旅しながら「生きやすさ」を追い求め、2016年に『その島のひとたちは、ひとの話を聞かない 』(青土社)を著した精神科医、森川すいめいさん。

「心の健康を守る秘訣は生きやすい島にあり」では、森川さんに、神津島(こうづしま|東京都)と下蒲刈島(しもかまがりじま|広島県)、フィンランドの事例を交えながら「生きづらさ」解決のためのヒントを聞きました。

読者アンケート「リトケイ読者に聞きました!島で守る命と健康について思うことは?」では、全国の島々で暮らす読者の「毎日を元気で過ごすために行っている活動や島の知恵」「島で守る命と健康についての考え・エピソード」を紹介します。

病気や怪我などをした際に、頼りたい医療機関。離島地域にどれくらい医療施設があるのでしょうか。「命と健康を支える島×医療の現在地。都道県別・島の医療機関数」では、島を有する30都道県の離島人口と医療施設の数を調査(※)。そこからは、人口規模による医療施設数の差も見えてきました。

※『離島統計年報』『地域医療情報システム』より収集したデータに独自調査を併せて算出

医療環境の不足をカバーするさまざまな取り組みも存在します。「命と健康を守る島ののりもの」では、海に囲まれた離島の医療を支える病院船やドクターヘリ、オンライン診療機器を搭載した巡回車両によるモバイルクリニックなどの取り組みを紹介します。

離島やへき地の医療情報を伝えるウェブメディア『離島医療情報ネットワーク』を立ち上げ、離島医療の最前線を見つめる池上文尋さんにもコメントをいただきました。

離島で奮闘する医師を描いた人気漫画『Dr.コトー』のモデルになった、下甑島(しもこしきしま|鹿児島県)の下甑手打診療所。「令和のDr.コトーほまれ先生の頭の中」では、2023年度より所長に就任した室原誉伶さんに聞いた、医療への想いや人となりをお届けします。

島々で暮らすリトケイ読者が望む「これだけは欲しい医療環境」など、リアルな声を集めた読者アンケートにも、ご注目ください。

体(病気)・心(心理)・社会(地域)の3つを診るプライマリケア医であり、医療経済ジャーナリストとしても活躍する森田洋之さん。「どのように生きたいか?島人の力とプライマリ・ケア」では、島の人々とも信仰の深い森田さんに、島にとって理想的な医療・介護について聞きました。

2022年に初開催され、さまざまな人が島々にとって必要な医療について語り合ったオンラインイベント「離島医療会議」(主催・島根県海士町)。今年は2023年9月17日(日)に開催、リトケイ編集長の鯨本あつこも登壇します。

開催内容や背景など、詳しくは記事をご覧ください。
>>離島医療の理想を横串で語らう『離島医療会議』

インタビューページは、俳優・ラジオパーソナリティ・アーティストとして活動する玉井夕海さんに聞いた「島の光と影をみつめ届かぬ声に想いを馳せる」。

高校時代に訪れた天草諸島(あまくさしょとう|長崎県)での心に残る体験や、やがて移り住んだ御所浦島(ごしょうらじま|長崎県)での経験を経て思うことを語っていただきました。

島々に携わる仕事人の想いを紹介する「島々仕事人」は、東京・南青山で現代の民藝をテーマにした日本料理店「てのしま」を営む、てしま企画の林亮平さん林紗里さん夫婦が登場します。亮平さんの父の故郷である手島(てしま|香川県)の再興を目指し、動き出したプロジェクトについて聞きました。

「有人離島の人口変動」ページでは、平成27年・令和2年の国勢調査および、直近半年間の人口変動を3カ月ごとに掲載。離島留学や移住の参考にしていただける小学校・中学校・高校の設置状況も島ごとに掲載しています。ウェブ版『ritokei』有人離島一覧にも、同内容を掲載します。(9月下旬更新予定)

島にまつわる本や映画などを紹介する「島Books & Culture」。今回は、京都市・哲学の道からほど近い書店「ホホホ座」座長の山下賢二さんが選書を担当。「島という不可思議な領域」と題し、心を島前に誘う楽曲や、島を舞台にした名作映画、島々の光景を納めた写真集など、多彩な島のイメージを伝える2作品3冊を紹介します。

400島あれば400通りある島の文化を島に暮らす文化人にご紹介いただく「島から島へ紹介したい島文化」、今回のテーマは「しまなみ海道の島々に息づく巨石信仰の面影」です。七つの島に人々が暮らす愛媛県上島町の佐島(さしま|愛媛県)で古民家ゲストハウスを営む西村暢子さんに聞きました。

島に暮らす人の想いを届ける「島人コラム」欄では、島々で酒造りに携わる女性3名に寄稿していただきました。

小豆島(しょうどしま|香川県)に移住し、島内産ぶどうのワイン造りに取り組む224WINERYの土屋実季さん、佐渡島(さどがしま|新潟県)の廃校を再生させた酒蔵「学校蔵」を拠点に島内外の交流の輪を広げる尾畑留美子さん、奄美黒糖焼酎「れんと」生みの親で奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)から女性たちに向けた奄美黒糖焼酎の魅力を発信する渡悦美さん、三者三様の活動や思いをお届けします。

詳しくは『季刊ritokei』43号または、9月上旬よりウェブ版『ritokei』に掲載される特集記事をご覧ください。下記目次のリンクより、ウェブ版の記事をご覧いただけます(随時更新)。

ー 島で守る命と健康 ー

絶海の孤島で、死を思う(母島・宮城ジャイアンさん)
痛みがなければどこか遠い命と健康について考えよう
心の健康を守る秘訣は生きやすい島にあり(精神科医・森川すいめいさん)
リトケイ読者に聞きました!島で守る命と健康について思うことは?(読者アンケート)
命と健康を支える島×医療の現在地。都道県別・島の医療機関数
命と健康を守る島ののりもの
島と島以外、医療環境はどう違う?離島医療をみつめる池上編集長に聞きました(『離島医療情報ネットワーク』編集長・池上文尋さん)
●令和のDr.コトーほまれ先生の頭の中(下甑手打診療所所長・室原誉伶さん)前編後編
リトケイ読者が考えるこれだけは欲しい医療環境(読者アンケート)
●どのように生きたいか?島人の力とプライマリ・ケア(プライマリケア医・医療経済ジャーナリスト・森田洋之さん)前編後編
離島医療の理想を横串で語らう「離島医療会議」

ー インタビュー ー

「島の光と影をみつめ届かぬ声に想いを馳せる」俳優・玉井夕海さん
「島々仕事人」てしま企画・林亮平さん、林紗里さん

ー 定番企画 ー

●有人離島の人口動態|島々の人口を3カ月毎にチェック!
島Books & Culture|島という不可思議な領域。(ホホホ座・山下賢二さん)
島から島へ紹介したい島文化(佐島 汐見の家・西村暢子さん)
●島人コラム|小豆島佐渡島奄美大島

ー 特別企画 ー

離島留学のリアルを探るリトケイ中城の「シマ育勉強会Vol.1 佐渡島編レポート」

【お詫びと訂正】
以下、新聞内表記に誤りがありました。正しくは以下の通りです。

▼P2「リトケイのミッションは『島の宝を未来につなぐこと』」内表記
[誤]Tシャツで島の話題が生む
[正]島の話題が生まれるTシャツを着る

▼P3「有人離島の人口動態」内表記
母島
国勢調査に基づく人口
令和2年
[誤]477人
[正]447人
国勢調査増減率
[誤]3.5%
[正]▲3.0%

▼P7「玉井夕海さんインタビュー」内表記
[誤]最後に行ったのは2021年で、
[誤]最後に行ったのは2019年で、
[誤]White Elephan 主宰
[正]White Elephant 主宰


『季刊ritokei』は全国の公式設置ポイントにて配布・閲覧を行なっています。お近くの公式設置ポイントを一覧からご確認ください。

>>『季刊ritokei』公式設置ポイント一覧

飲食店や公共施設、企業のオープンスペースなど、誰でも立ち寄れる場所に『季刊ritokei』を無料設置していただけます。設置を希望される施設の方は、こちらをご覧の上、申し込みフォームよりご連絡ください。

また、子どもや青少年の学びを目的とした活動に『季刊ritokei』を無料で毎号お届けしています。ご活用を希望される学校・教育関連施設の方は、「活用方法」「希望部数」「送付先」の情報を添えてお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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『季刊ritokei』およびウェブメディア『ritokei』は、活動に賛同してくださるサポーターや寄付者の皆さまからお寄せいただく支援と、事業部門の収入により発行しています。今後も安定的に発行を続けられるよう、島を想う皆さまのご支援を心よりお待ちしております。

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