8月27日に有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』46号「なつかしくてあたらしいミライの島を共につくろう」を発行しました。9月上旬より全国約1,300カ所の公式設置ポイントにて配布・閲覧を順次スタート、ウェブ版『ritokei』でも順次記事を公開していきます。46号の目次や見どころを紹介します。
今号では、日本の島々で進む、あたらしい未来を模索する具体的な取り組みをピックアップ。海に囲まれ、土地にも資源にも限りがある離島は、解決が必要な社会問題や、その対策の良し悪しを把握しやすいのが特徴。社会の一歩先をいく取り組みが、各地で進んでいます。
大自然や人と共存する古き良き知恵や生きるすべと、最新テクノロジーや画期的なアイデアを掛け合わせた未来は、あたらしいだけなく、なつかしいだけでもない。心豊かに生きることのできるミライの島をつくるヒントを探求しましょう。
特集冒頭を飾るのは、表紙にも登場した、おめでたい縁起ものとされるタイと出世魚のブリをイメージした、二匹の魚。全国の島名でウロコ模様を描いています。
島々が集まり共創してつくるすてきな未来と幸運を願う気持ちと、全国の島の皆さんと力を合わせて歩んでいきたいというリトケイの思いを込めたデザインです。
リトケイ編集部には、島々で地域づくりに取り組むキーマンたちから日々いろいろなメールが届きます。
「島から届いた4つのメールと、わくわくと」では、島々からリトケイに届いたメールをきっかけに、沖永良部島・佐木島・対馬島・奄美群島の請島・与路島で進む、フレッシュな島づくりの動きを取材しました。
「離島×新技術 島国をリードする新しいミライ」では、国土交通省が推進する「スマートアイランド」の先進事例をピックアップ。少子高齢化の進む日本で、島々の取り組みは、全国的な課題解決に向けたモデルケースとしても期待されています。
山形県の飛島や長崎県五島列島のドローン活用による物流サポートをはじめ、ドローンを鳥獣対策に活用する笠岡諸島の真鍋島。
三重県鳥羽市の本土と神島・答志島・菅島・坂手島を結ぶクラウド型電子カルテや、愛媛県新居大島の「動く医療サービス」のような遠隔医療の取り組み。
船員不足の解消とエネルギー自給を目指す大崎上島・生野島の自律航行EV船など、新技術で課題を解決し、よりよい暮らしの実現を目指すプロジェクトを紹介します。
今号では、『季刊ritokei』41号「手をつなぎ、拓く持続可能な島の未来」にも登場した沖縄県・座間味島の役場庁舎建設プロジェクトなど、離島の行政と連携した公共事業を数多く手がける大和リース株式会社の取り組みに注目。
「何をしたら儲かるかではなく、何を必要とされているか」を重視。よりよい仕事を行うため、地域との信頼関係も大切にしているという大和リース。
座間味のプロジェクトにも携わった辻大輔さんをゲストに、同社が進める島々での事業や共創に向けた思いをNPOリトケイ事務局長の多和田真也が伺います。
特集ページ「10年後をかえる一歩を共に歩みませんか?」では、10年後の未来を見据えて活動する4団体を紹介。各団体は、11月14日(木)に開催される「未来のシマ共創会議」(※)にも参加。記事を読んで興味をもったら、イベント会場で直接つながることができます。
※「未来のシマ共創会議」詳しくはこちら https://ritokei.localinfo.jp
『季刊ritokei』34号「お買い物を通じてつながり、支え合える産直SNSの輪」にも登場した産直型ECサイト「ポケットマルシェ」(愛称:ポケマル)を運営する株式会社雨風太陽は、2022年に「おやこ地方留学」をスタートしました。
2024年の夏休みは全国12t地域で開催され、各地域で10組前後の家族が参加。食や地方への関心が高い約77万人のユーザーをもつポケマルを軸に、地域と親子の関係人口を創出しています。
離島地域での展開も大歓迎!ポケマルが展開する「おやこ地方留学」にご注目ください。
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奄美群島・沖永良部島の知名町では、2024年度より「ふるさとワーキングホリデー」をスタート。学生や社会人が島に滞在しながらサトウキビ、バレイショ、葉タバコ、マンゴー、桑の葉などの農業に従事し、収入を得ることができる仕組みです。
仕事が終わった後の飲み会やバーベキューなど、島の人たちのあたたかなもてなしに、これまでに農繁期の季節労働で島を訪れた人からは「楽しすぎた」「帰ってくる場所が増えた」という声も。
観光地ではなく、主に農業でにぎわってきた沖永良部島では、地域に根付く古きよき伝統文化や、美しい自然をゆったりと味わえるのも魅力。沖永良部島で、落ち着いた島暮らしと農業を体験してみませんか?
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島根県・海士町の第三セクター・AMAホールディングス株式会社は「シン・ブルーオーシャン戦略」を掲げ、海士町の海から世界の諸問題を解決に導く実証プロジェクトをスタート。他にも、同社がつなぎ役となり、島内外との共創事業を推進するべく、企業パートナーを募集しています。
また、海士町での起業や新規事業に挑戦する若者のサポート体制づくりを進めており、起業人材も歓迎しています。
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東京都の離島・利島は都心から高速船で2時間20分、人口約300人の島。利島村では、村役場の産業観光課に所属しながら水産加工品の企画開発に携わる地域おこし協力隊を募集しています。
共に働くひとりとなる利島村漁業協同組合の池原さんは「閉鎖的な雰囲気はない。関係者が身近にいるため意思決定のスピードが速く、裁量の大きさも魅力」と語ります。
一人ひとりの個性や力が発揮されやすいのも、300人の島ならでは。東京の島で、島と水産の未来をつくるひとりになりませんか?
現・京セラ株式会社や現・KDDI株式会社を立ち上げ、日本航空株式会社の再建に携わるなど優れた経営手腕を発揮した故・稲盛和夫氏の経営哲学と同志の実践に学ぶ経営者たちの自主勉強会「盛和塾」。
この盛和塾の神奈川分会「フィロソフィ経営実践塾横浜」では、離島在住者限定でオンライン会員を募集します。
屋久島出身で、半導体専門商社の株式会社PALTEKを創業した高橋忠仁さんをはじめ、盛和塾に学ぶ経営者には離島の出身者も多数。
この度、高橋さんの呼びかけで島の未来を担う経営者に門戸を広げるべく、離島在住者限定の「オンライン会員」(離島枠)を新設。リトケイが世話人となり、新規会員を募集します。
応募締め切りは、10月末日。詳しくは下記をご覧ください。
>>応募フォーム
「働き手を集めたい島の座談会」では、「求職者のイメージと実際の求人需要のズレ」「ミスマッチの際のダメージが大きい」など、一筋縄ではいかない「島の人事」にフォーカス。
実際に島で働く人材を採用している皆さんは、人材募集にあたってどんなことをしている?ミスマッチを防ぐために大切な姿勢や、必要なサポートとは?
五島列島・壱岐島・対馬島・奄美大島・沖永良部島・石垣島・宮古島で引越し会社を展開する池田和法さん、徳之島・伊仙町で移住者に向けた仕事や住居、地域とのつなぎ役として奮闘する大保健司さんをゲストに、リトケイの鯨本あつことネルソン水嶋が語り合います。
日本の人口減を可能性にかえる本をつくるべく、リトケイが離島地域のキーマンたちと共につくりあげた新著『世界がかわるシマ思考—離島に学ぶ、生きるすべ 』。
2024年4月に刊行されたこの本にインスパイアされ、「シマ思考」をキーワードに 学びを深める実践が生まれています。
佐渡島と東京で行われたふたつの実践を、リトケイ編集部の石原みどりが現地取材した「 『シマ思考』で学ぼう!佐渡島&東京の実践レポ」。ウェブ版では、誌面に掲載できなかったエピソードも交え、前・後編に分けてお届けします。
インタビューページには、瀬戸内の島々を舞台に開催される「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクター・北川フラムさんが登場。
3年に一度開催される芸術祭には国内外からゲストが集まり、2022年は723,316 人もの人が来場。そんな芸術祭を、あえて島で開催するには理由があるといいます。
フラムさんが14年間にわたり取り組んできた、アートによる島々の活性化や芸術祭を通じて目指すものについて語っていただきました。
島々に携わる仕事人の想いを紹介する「島々仕事人」。今回は、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえのお二人です。
こどもが無料や低額で食事を得られるこども食堂は、学校と家庭以外にこどもが立ち寄れる居場所であり、多世代が交流するコミュニティとしての可能性も。
ご自身でもこども食堂を運営しながら、伊豆大島など各地のこども食堂立ち上げも支援する森谷哲さんと末岡真理子さんに、離島地域でも増えている、こども食堂の活動や島々で感じたことを聞きました。
島にまつわる本や映画、音楽をお届けする「島Books & Cultute」では、持続可能な島づくりや心豊かに生きる方法、奥深い離島の世界が知れる本など、リトケイ編集部がすすめる「次の一冊」を選びました。
島に暮らす人の想いを届ける「島人コラム」は、伊豆諸島・新島にUターンし村役場の職員として活躍する西胤鼓麻さん、学生として公共政策を学ぶかたわら生まれ育った五島列島・小値賀島のイベントなどに取り組む﨑元愛琴さんの寄稿コラムを掲載。
400島あれば400通りある島の文化を島に暮らす文化人が紹介する「島から島へ紹介したい島文化」では、奄美群島・徳之島にお住まいの松岡由紀さんによる「黒糖から見える奄美の歴史」をお届けします。
リトケイ本紙の隠れた人気コーナー「有人離島の人口変動」。
このページでは、平成27年・令和2年の国勢調査の人口と、リトケイ独自調べによる直近半年間の島々の人口変動を3カ月ごとに掲載。離島留学や移住の参考にしていただける、小学校・中学校・高校の設置状況も島ごとに掲載しています。
9月下旬より、ウェブ版『ritokei』有人離島一覧にも同内容を掲載いたします(予定は変更になる場合があります)。
詳しくは『季刊ritokei』46号または、9月中旬よりウェブ版『ritokei』に掲載される記事をご覧ください。下記目次のリンクより、ウェブ版の記事をご覧いただけます(随時更新)。
ー なつかしくてあたらしいミライの島を共につくろう ー
●島から届いた4つのメールと、わくわくと(1 沖永良部島・石田秀樹さん、佐木島・少林泰誠さん)
●島から届いた4つのメールと、わくわくと(2 対馬市SDGsSDGs推進課・久保さん)
●島から届いた4つのメールと、わくわくと(3 請島 与路島・藤田誉亮さん )
●離島×新技術 島国をリードする新しいミライ(真鍋島・五島市、鳥羽離島・新居大島、飛島・五島列島、大崎上島・生野島)
●よりよい「共創」に求める学びと信頼(大和リース株式会社・辻大輔さん、NPOリトケイ・多和田真也)
●ポケマルが展開する親子地方留学(株式会社雨風太陽)
●海士町の「余白」から価値を生み出す起業人材や企業パートナーを歓迎(AMAホールディングス株式会社)
●人口300人の離島で水産の未来をひらく地域おこし協力隊を募集(利島村)
●農業でにぎわってきた沖永良部島で島暮らしと農業を体験「ふるさとワーホリ」(沖永良部島)
ー インタビュー ー
●「島で、芸術祭をやる理由」アートディレクター・北川フラムさん
●「島々仕事人」認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ 森谷哲さん、末岡真理子さん
ー 定番企画 ー
●有人離島の人口変動|島々の人口変動をチェック!
●島Books & Culture|リトケイ編集部がすすめる「次の一冊」
●島から島へ紹介したい島文化(徳之島 松岡由紀さん)
●島人コラム|新島・小値賀島
ー 特別企画 ー
●稲盛経営哲学と同志の実践に学ぶ「フィロソフィ経営実践塾横浜」
●どうしてる?何が必要?働き手を集めたい島の座談会(五島列島・壱岐島・対馬島・奄美大島・沖永良部島・石垣島・宮古島 アイランデクス株式会社 池田和法さん、徳之島・とくのしま伊仙まちづくり協同組合 大保健司さん、NPOリトケイ・鯨本あつこ、ネルソン水嶋)
●学校蔵の特別授業で深める「世界を変えるシマ思考」(佐渡島 尾畑酒造・尾畑留美子さん、藻谷浩介さん、玄田有史さん、ウスビ・サコさん)
●筑波大学附属高等学校の特別講座「シマから考える!日本の未来」(筑波大学附属高等学校)