つくろう、島の未来

2022年09月25日 日曜日

つくろう、島の未来

【エラブ旅嫁 育児中#06 墓正月だヨ、全員集合!!】山口県出身。大阪の旅行会社で働いていた頃に沖永良部島(おきのえらぶじま|鹿児島県)出身の現在の夫と知り合 い、結婚を機に島へUターンした島の島嫁ならぶ「旅嫁」の島日記。

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#06 墓正月だヨ、全員集合!!

うがみやーぶら!(こんにちは)

あっさりとした正月三が日を過ごした沖永良部島ですが、
実はそのあとに大切な行事を控えていました。

それが、1月16日の墓正月。

「十六日(じゅるくんち)正月」ともいい、
ご先祖様とともに正月を祝うために
一族がお墓の前に集って宴会をするという、島の伝統行事です。

内地の霊園などを想像すると、
「どこにそんな宴会スペースが?」と疑問が生じるところでしょうが、
島のお墓は始めから宴会対応型の広々とした間取り。
海も望める抜群の景観、そして集落からも徒歩数分・・・と、
字面だけみるとバーベキューのできる海辺の別荘かといった感じですが、
とにかくお墓が一族ごとに石垣やブロックで区画されており、
その囲いの中で宴会ができるようになっているのです。

そして、昨今ではお墓参りだけ済ませて自宅で宴会をする集落が多くなる中、
昔ながらに盛大に墓正月を執り行う数少ない集落のうちのひとつに
うっかり嫁いできた旅嫁のコラムが、こちらになります(笑)。

というわけで、1月16日。

うちの集落は午前中にお参りと宴会をするのが慣例となっているので、
お供え用の巨大三枚肉やお吸い物(やはりお吸い物は必須)、
宴会用のおかずや焼酎などを携えて、9時前後には住民が墓地に集まってきます。

墓前にお参りしたあとは、
各々持ち寄ったおかずを分け合い、宴会スタート。
といっても、朝からそんなにバカスカ飲めるものではないのか、
2時間もしないうちにお開きになるんですが、まぁそりゃそうだ。
いくら南国ったって冬だし寒いし野ざらしだし。

海から吹いてくる冷たい北風に吹かれながらおかずをつついていると、
そもそもなんで御仏前ではなくお墓の前で宴会なんだろう・・・
という根源的な問いが湧き上がってきます。
昭和40年代までは火葬ではなく土葬(そして明治以前は風葬)だったので、
ただお骨があるよりも「ご先祖様がここにいる」という感覚が強いのでしょうか。

なんたって、小学校も墓正月の時間帯は授業がお休みになりますからね。
集落内の売店は当然閉まるし、繁華街(?)にあるスーパーだって、
墓正月に参加する従業員のために営業時間短縮は当たり前。
会社員だって有休とります。

まさに、「墓正月だヨ、全員集合!!」なのです。えんやーこらやっと。

ちなみに、墓正月のほかに墓前の宴会スペース(?)が
活用される例としては、「33回忌」があります。

沖永良部島では、33回忌が終わると
故人は天国へ昇って神様になると考えられているため、
年忌の中でも33回忌は特別な扱い。
自宅で法要を済ませたあと、ジューテと呼ばれる唄者が
三線を弾き唄いながら先頭を行き、あとに参列者が続いて、
全員で墓地に向かいます。

で、墓前の広場を舞台に見立てて、
舞い手による舞いが奉納されるのですが、
これをいつやるのかっていうと、夜なのです。夜!

真っ暗な墓地、わずかな懐中電灯の明かりに浮かび上がる
舞い手と喪服の集団。朗々と響く三線の音。
幻想的というかなんとういうか・・・
初めて見たときには幻覚かと思いました。いやマジで。

島では、夜に外をほっつき歩いていると
「ひーぬむん(木の者?=妖怪)」に化かされる、的な話を
お年寄りからよく聞かされるんですが、
一瞬それかと思っちゃっう程度には衝撃的な光景でした。はい。

あ、そうそう。
お墓の話ついでに、ユタの話なども。

ここは琉球文化圏なので沖縄同様にユタ(巫女みたいなもの?)に
占いや先祖供養をお願いすることがあるのですが、
うちも義父母がユタを呼んで、お墓でご先祖様からの
言葉を伝えてもらったことがあります。

そのときはたまたま義父と夫が同時期に体調を崩したので、
供養不足などが原因かどうかユタを通じてご先祖様に相談する・・・
という趣旨だったのですが、おもしろかったのがその後。

ユタが「ついでにお嫁さん(私のこと)のアトピーはどうしたら・・・」と
聞いてくれたんですが、ご先祖様ソッコーで、「それはうちのせいじゃない」。

・・・ですよねー、
嫁いでくる遥か前から発症してますから
田中家に非はないっすよねスンマセンでした・・・。

というわけで、タイトルに反して育児の話が皆無のままですが、
息子をおんぶして原稿書いてますので、
育児(しながら)コラムってことで・・・。。
読んでくださって、みへでぃろでょー(ありがとう)。

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