つくろう、島の未来

2022年10月03日 月曜日

つくろう、島の未来

【エラブ旅嫁 育児中。 #07 忙しく騒がしい島暮らし】山口県出身。大阪の旅行会社で働いていた頃に沖永良部島(おきのえらぶじま|鹿児島県)出身の現在の夫と知り合い、結婚を機に島へUターンした島の島嫁ならぶ「旅嫁」の島日記。

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#07 忙しく騒がしい島暮らし

うがみやーぶら!(こんにちは)

この原稿を書いている2月半ば、現在の外気温は25度。
息子をおぶっていると体感気温はさらに高く、
もはや「汗ばんだ体に海風が気持ちイイ!」
みたいなことになっておりますが、2月です。はは。ウソでしょ。ウケるぅ~。

息子がおんぶ紐の中で寝てしまったので、
うかつに下ろして起きて泣かれるよりは……と、
背中に息子を乗せたまま、土下座スタイルで
ノートPCに向かってこの原稿を書いています。

腰が痛いし肩の筋にもピキピキと鋭い痛みが走っていますが、
寝んねこそすべて!寝足りないと起きてる間中グズって大変!
寝かせるためなら肩凝りくらい!
……という主旨にご賛同いただけるママさんも多いかと存じます。ハイ。

と、これだけ寝んねに心血を注いでも、島の日常には、
眠る赤ちゃんを叩き起こす悪魔のような仕掛けがいっぱい。

まずは、じいちゃんが車庫から出し入れするトラクターの爆音。
定時に鳴り響く集落のチャイム。
停電しない限りはスイッチ切っても入ってくる町の防災無線。
朝と夕方には、青年団・壮年団・婦人会・老人会・PTA・農業委員会 etc……。
各種団体からのお知らせ放送がスピーカーから繰り返し各4回。

そして極めつけは、朝6時45分からの「朝読み」!

どうやら「朝読み」をやってるのはうちの集落だけのようなのですが、
毎朝小学生が交代で国語の教科書を朗読するのを、
集落内スピーカーで流すのです。朝6時45分から!!

風向きによっては、耳元で読んでるんじゃないかくらいに聞こえる日もあり、
夜泣きが収まってやっと寝た息子がそれで起きちゃった日にはもう……。
周囲には、「そのうち慣れて起きなくなるんじゃない?」と言われますが、
なるほど。ここで生まれ育った夫が、少々の物音や子どもの泣き声では
起きないのはそのせいか。
いや、でも物音で目が覚めるって、動物が身を守るための生存本能だろう。
それが著しく鈍るってどうよ?
……と、生き物としての在り方にまで思考は広がっていきますが、
まぁとにかく、島の日常は意外にも騒がしい、ということです。

そして、田舎=静かなスローライフというイメージをさらに打ち砕く、
各種行事の忙しさ。

仕事は確かに、都会のサラリーマンのような激務の人はあまりいないようですが、
そのぶん地域活動がもう、活発も活発。
町民一丸となって燃えたぎる町民体育大会から、盆踊り、船こぎ競争、駅伝大会、
年代別バレーボール大会、集落ごとの運動会、敬老会、各種奉仕作業、
定期的に召集がかかる各団体の集会、子どもがいればPTAにスポーツ少年団の指導 etc……。

いや、行事はいいんです。田舎だもの、そりゃあるでしょう。

旅嫁にとっての問題は、それぞれの行事ごとに決起集会だの反省会だの
打ち上げだのといった飲み会がもれなく付随すること。
体育大会にいたっては、練習のあと毎回飲み会があったりして、
もはや「宅の主人、夜はまったく家におりませんの」状態です。
しかも終電のない島の夜、帰宅はたいてい午前様。

ホントに、生後まもない息子を抱えてキレたことありますもんね。
「なんなの、島の男どもは!」と(笑)。

なんなのと言ってみたところで、他にたいした娯楽もない島のこと、
男たちがなにかと口実をつけて飲み明かしてきた長い歴史があるわけで、
一朝一夕にそれが変わるわけもなく。
島人同士で結婚していれば、夫の不在中に実家に帰って羽を伸ばすことも
アリなのでしょうが、旅嫁はそういうわけにもいきません。
女友達もいるけれど、お互い家庭持ちだと「これから飲みに行かない?」
っていうのも簡単じゃないし……。
島に限らずですが、知らない土地に嫁ぐというのは、
そういう孤独というか疎外感みたいなものと向き合いつつ、
地域に溶け込んでいく努力や覚悟が必要なんだなあと、
まもなく4年目に入る島暮らしを振り返りつつ思ったりしています。

……と、いつもそんなに深刻に考えているわけではなく、
普段の頭の中はといえば、
「みてろよ、卒乳したら今度は私が飲み歩く番だからな!」とか、
そんなフザケたことばっかりなんですが……。

ではまた、次回に。
読んでくださって、みへでぃろでょー(ありがとう)。

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