つくろう、島の未来

2024年11月22日 金曜日

つくろう、島の未来

リトケイ編集部の島酒担当記者、石原です。「島酒日記」では、取材をしながら出会った島酒や造り手さんたちのこと、島酒の楽しみ方などを徒然にお話ししています。旬のいちごと黒糖焼酎で、春らしいピンク色の果実酒をつくってみました。おいしくできたので、ご紹介いたします。

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春はいちごがおいしい季節ですね。
先日、近所の青果店でいちごが安売りしていたので、ネットで見つけた「いちごのウィスキー漬け」のレシピを参考に、島酒といちごで果実酒をつくってみました。

今回使ったのは、奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)の開運酒造株式会社が造る奄美黒糖焼酎「紅さんご」40度。常圧蒸留(※)の原酒を樽で長期熟成させ、黒糖由来のまろやかな味わいと、樽の濃厚な甘い香りが特長。

※常圧(=1気圧)でもろみを蒸留する方法。沸点の高い香味成分が入り濃厚な風味になる

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こちらのお酒に、旬のいちごが持つみずみずしい香りと色、甘酸っぱい味わいを移してみよう!という実験です。

先ずは、いちごを冷凍。冷凍することで、色や香りなどの成分を抽出しやすくなります。
いちごは洗ってヘタをとり、キッチンペーパーなどで表面の水気を拭いてから冷凍します。水気がついていると、凍らせた時にいちごがくっついてしまいますよ。

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次に、凍らせたいちごを焼酎に漬け込みます。保存容器は、殺菌のため煮沸しておきましょう。冷凍したいちごを容器に入れて焼酎を注いだら、数日間冷蔵庫で寝かせます。
今回は、いちご1/2パックと焼酎150ミリリットルをジャムの空き瓶に漬け込みました。保存容器の大きさに合わせて調節してみてください。

数日後。お酒が赤く色づきました。いちごの色素や香味成分などが、アルコールによって抽出された状態です。
いちごの方は、色や香りが抜けて白っぽい姿に。傷まないうちに取り出してしまいましょう。砂糖を加えて煮詰めればジャムとして食べられます。

完成した「いちご酒」を味見してみると……いちごジャムを思わせる懐かしい風味と「紅さんご」の濃厚な甘い香りが混ざり合い、バニラカスタードにいちごのコンポートをのせた「いちごタルト」のよう。
砂糖は入れていませんが、ほんのりとした甘みがあり、酸味も感じられます。

冒頭の画像では、ソーダ割りにして無農薬レモンのドライフルーツを添えてみました。
いちごの香る甘酸っぱい微炭酸ドリンクは、急に気温が高くなって少し汗ばむような春の日にぴったり。

今回は「紅さんご」を使い、タルトのような、やや重厚な風味に仕上がりましたが、樽貯蔵していないスッキリタイプの黒糖焼酎を使ったら、フレッシュないちごジャムの風味になるんじゃないかな?と予想。
冷凍いちごが1/2パック分残っているので、試してみたいと思います。

これを機に、島酒×フルーツに目覚めそう。
さくらんぼの香りも大好きなので、その季節になったら新しいお酒をつくってみようと心待ちにしています。
それではまた、良い酒を。

     

離島経済新聞 目次

編集部員石原の島酒日記

リトケイ編集部の島酒担当、石原です。取材をしながら出会った島酒や島酒の造り手さんたちのことを徒然にお話しします。

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