つくろう、島の未来

2024年12月07日 土曜日

つくろう、島の未来

リトケイ編集部の島酒担当、石原です。取材をしながら出会った島酒や島酒の造り手さんたちのことを徒然にお話ししています。

桜が満開となった4月の休日、仲間に声をかけて「奄美黒糖焼酎語り部お花見会」の宴を催しました。その様子をお伝えします。

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皆さんは「奄美黒糖焼酎の語り部」の存在をご存知でしょうか。

「奄美黒糖焼酎語り部養成講座」は、奄美黒糖焼酎の普及を目的とした人材育成事業で、初回は2013年に奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)で開催されており、かくいう私も語り部7号として認定を受けています。

年1回の講座は、2014年から東京都内に会場を移し、これまでに4回開催されていて、合格した語り部は全国で110名もいるんですよ。

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「奄美黒糖焼酎語り部お花見会」は、満開の桜を望む水辺にて開催

さて、お花見当日は、時折小雨が降ったり止んだりの肌寒い天候。参加を表明していた1名が二日酔いにて不参加となり、この日宴に集まったのは、私を含め3名。人数は少ないながら、酒好き濃度の高い面々となりました。持ち寄ったお酒と焼酎の肴をご紹介しましょう。

語り部28号、webサイト「黒左党」を運営するkochingさんが持参したのは、奄美群島(あまみぐんとう)で最も老舗の蔵、大正5年創業の朝日酒造(喜界島・きかいじま)が造る代表銘柄「朝日」。水で割って4日寝かせておいた「前割り」は、焼酎と割り水がよく馴染み、円やかな口当たりと繊細な風味が愉しめます。

酒肴は、自家製のスモークチキン、加計呂麻島(かけろまじま|鹿児島県)産「きび酢」で和えたトマトのマリネ、菜の花の和え物、炊き込みご飯のおむすびなど。沢山ご用意いただき、ありがとうございました!

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語り部27号Hさんが持参したのは、奄美群島最大の繁華街屋仁川(やにがわ)通り近くで昔ながらのかめ仕込みを続ける富田酒造場(奄美大島)の限定銘柄「まーらん舟 無ろ過原酒2015」40度。原料の黒糖は、徳之島(とくのしま|鹿児島県)の徳南製糖製。手刈りしたサトウキビを絞り、薪でじっくり焚いた純黒糖です。この風味を活かすため、無ろ過で瓶詰めしていて、コクと豊かな風味が魅力です。

酒肴は、徳之島産のじゃがいも「春一番」を使い、隠し味に加計呂麻島の「きび酢」をきかせたポテトサラダという徳之島しばり。徳之島のシマ唄を学ぶHさんらしい、徳之島へのリスペクトあふれるセレクト。美味しかったです!Hさんには、シマ唄も披露していただきました。

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喜界島のキビザラメ、薄口醤油、本みりん、お酢を煮立てたタレにゆで卵を漬け込む

私が用意したのは、初代から続く代表銘柄「あまみ長雲」が人気の山田酒造(奄美大島)のお母さんより教えていただいた酒蔵直伝の「酢たまご」。お酒も食も進む美味しさです。
「酢たまご」の詳しいつくり方は、こちらの記事でもご紹介しています。

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撮影:奄美黒糖焼酎語り部28号kochingさん

夕方に近づき、だんだん肌寒くなってきました。宴の最後には、「六調」というシマ唄で歌い踊るのが島の習いです。Hさん持参の三線と六調太鼓で「六調」を弾いていただき、kochingさんに太鼓を支えてもらって私が叩き、宴の〆としました。すると、踊り手がいない。やはりちょっと寂しいね、と3名。

大好きな島酒も、集まって飲むとより楽しい。これからも、もっと奄美黒糖焼酎語り部仲間同士が知り合い、黒糖焼酎を楽しむ活動をしていけたらいいな。

それでは、また。よい酒を。

     

離島経済新聞 目次

編集部員石原の島酒日記

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