つくろう、島の未来

2024年04月25日 木曜日

つくろう、島の未来

リトケイ編集部の島酒担当、石原です。取材をしながら出会った島酒や島酒の造り手さんたちのことを徒然にお話しします。今回は、伊豆諸島・八丈島の焼酎と「くさや」を使った特産品「くさやチーズ」のことをお話しします。

リトケイのオフィスには、スタッフの出張土産など、島々の食材が集まってくるので、その食材でつくったランチメニューがテーブルに並びます。

先日、島酒の肴にぴったりの一品を入手しました。八丈島で生まれた、特産の「くさや」を使った「くさやチーズ」です。シックなパッケージで、一見お菓子のように見えますね。

プロセスチーズとカマンベールチーズに八丈島特産の明日葉と青ムロアジの「くさや」を練り込み、スモークして仕上げた一品。「くさや」がたっぷり入り、パテのような質感です。原材料に焼酎も使われていますが、アルコール感は残っていません。この「くさやチーズ」を使って、ランチタイムにパスタをつくってみました。

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一見お菓子のような「くさやチーズ」/完成した「くさやチーズパスタ」

きのこを炒めて、細かく刻んだ「くさやチーズ」まるまる1個を加え、白ワインでのばし、茹で上がったパスタに絡めただけのシンプルなパスタにしました。「くさやチーズ」の味わいをそのまま活かすために、調味料は加えず、パスタを茹でる時に塩を多めにきかせて麺に下味をつけておきます。薬味っぽく刻みネギを入れてみました。ほんのりと立つ「くさや」とスモークの香りが食欲をそそり、なかなかの味わいです。

この「くさやチーズ」の販売元は、八丈島で「くさや」の生産や食堂を営む藍ヶ江水産。島の特産品「くさや」を、より多くの方に味わってほしいとの思いから開発したそうです。

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藍ヶ江水産の皆さん/「くさやチーズ」や「くさや」各種などの商品が並ぶ店内

藍ヶ江水産代表の加藤 幸さんは、静岡県沼津の出身で八丈島在住のIターン。元々東京でバーテンダーをされていたことがあり、バー時代の師匠と話している中で「くさや」とチーズを合わせる構想を得たのだとか。

その後、八丈島の「ショットバーD」と共に試作を重ね、「くさや」の風味をマイルドに残しつつ、ビールや焼酎、ワインなどによく合う濃厚な味わいの「くさやチーズ」が誕生しました。

加藤さんは完成した「くさやチーズ」を持って、首都圏のバーなどに足を運び直接営業。商品を味わってもらい、こだわりを熱く語り伝える中で、少しずつ島外での取引先を増やしてきました。2014年度は1都6県で約8万個を売り上げ、藍ヶ江水産の売り上げの6割を占める主力商品に成長しました。

「くさやチーズ」は八丈島の藍ヶ江水産工場内「地魚干物食堂 藍ヶ江水産」で購入できるほか、同社より通信販売もされています。東京都内では、竹芝の伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップ&カフェレストラン「TOKYO ISLANDS CAFE」で取り扱っています。

また、KDDIが全国のauショップで展開するショッピングサービス「 au WALLET Market 」でも取り扱っています。

「くさやチーズ」を使った、新たなレシピなど思いついた方は、ぜひ私に教えてくだいね。それでは、また。良い酒を!


【関連サイト】

藍ヶ江水産ホームページ

「くさやチーズ」が生まれた背景は、『季刊ritokei(リトケイ)』14号 離島良品特集内企画「つくり手に聞いた、ヒットの裏側」でも詳しくご紹介しています。
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離島経済新聞 目次

編集部員石原の島酒日記

リトケイ編集部の島酒担当、石原です。取材をしながら出会った島酒や島酒の造り手さんたちのことを徒然にお話しします。

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