2015年7月、香川県高松市の大島が離島振興対策実施地域に指定された。今後、公共事業における国庫補助率がかさ上げされるほか、交付金の優遇措置などが受けられる。今回の指定に関する話を高松市の担当者に聞いた(※タブロイド紙『季刊リトケイ』14号掲載ニュース)。
公共事業の国庫補助率かさ上げや交付金の優遇措置
今年7月、国立療養所「大島青松園」のある大島(おおしま|香川県高松市)が、離島振興法に基づく離島振興対策実施地域に指定された。これにより香川県にある24島の有人離島は全島が離島振興対象地域となった。
現在、大島に暮らすのは大島青松園の入所者約68名と職員ら関係者のみで、平均年齢は82歳を超える。高松市市民政策局政策課の松良彰三さんは「このままでは大島が無人島になってしまうことも懸念される。有人島として残すため、移住定住なども視野に入れ、歴史の伝承の場にする施策を重点的に行っていく必要があると考えている」と話す。
大島の指定は、小豆島など6島が離島振興法の対象離島となった2013年3月にも検討されたが、今後の振興方策が未定であったことから見送られた。そこで高松市は有識者等からなる「大島の在り方を考える会」を設置し、振興方針について検討。昨年11月、同市により振興方針が策定されたことで、今年2月に離島振興対策分科会の委員が現地視察を行い、7月の指定となった。
離島振興対策実施地域では、公共事業における国庫補助率がかさ上げされるほか、交付金の優遇措置などが受けられる。
今後は島側の要望が高かった港湾整備をはじめ、瀬戸内国際芸術祭との連携などにより、交流・定住の促進に力を入れ、ガイドによる歴史の伝承を行っていく予定としている。